最近、腰が痛いんですがいいツボはありませんか?
では今日はご自分でも押すことのできる腰痛改善のツボと、腰痛とふくらはぎの腓腹筋という筋肉の意外な関係性についてお話ししましょう
なおツボの紹介には同身寸法と骨度法、解剖学的呼称を説明に用いますので、これらの理解のために先に以下の記事を読んでおくことをお勧めします
腰痛に効果のあるツボ
今回紹介するツボは主に足の太陽膀胱経の大腿後面〜足までにかけての経穴になります。
殷門
大腿後面、大腿二頭筋腱と半腱様筋の間で、殿溝(お尻と太ももの境目)の中点から下方6寸に取ります。
腰背部がこわばって痛み、身動きが取れないのを楽にするということからこの名がつけられました。腰痛持ちの方は反応が出やすいですね。
坐骨神経痛や大腿部の痛みにも効果があります。
委中
委中は膀胱経の合土穴であり四総穴(腰背部)、膀胱の下合穴でもあります。
『委』という文字には『曲がるところ』という意味があり、取穴部位は膝窩(膝の裏)の真ん中に取ります。人によってはそこで膝窩動脈の拍動を感じ取れると思うので、それを目印にしても良いです。
また委中は他にも、股関節の運動制限や腓腹筋の痙攣などにも効果があります。
合陽
委中の下方2寸のところにあり、腓腹筋の外側・内側頭の間に取ります。
足の太陽膀胱経の支脈の交わる場所で、合穴の委中の下にあることから合陽と呼ばれます。
腰背の痛みのほか、下肢のだるさや痛み・痺れにも効果があります。
承筋
委中の下方5寸のところにあり、合陽から下方3寸のところに取ります。
下腿で身体を支える作用が最も強いということから、この名がつけられました。
腰痛持ちの方の多くが反応を示すツボでもあります。私も腰が痛くなった時に押しますが、痛いです。
腰痛の中でも、ぎっくり腰に効果のあるツボとしても知られます。
飛揚
膀胱経の絡穴ということで、慢性的な腰痛に効果のあるツボです。
取穴部位は下腿後外側、膝窩と外果尖を結んだ線(16寸)で外果尖から上方7寸のところ。腓腹筋の外側頭下縁とアキレス腱の間で、アキレス腱とヒラメ筋との境目のほぼ中央に取ります。
『飛』という文字には『意外な』という意味があり、膀胱経から表裏関係の腎経へ流れを突然速めていくことからこの名がつけられました。
崑崙
膀胱経の経火穴でもある崑崙。指では少々押しにくいですが、腰痛に対して効果の高いツボとして知られています。
取穴部位は足関節後外側で、アキレス腱と外果尖の間の中央の陥凹に取ります。
ピンポイントに押したい場合は、ペンなどを使うと良いでしょう。
崑崙とは元々は山の名前であり、これは高く大きくそびえることを意味しています。
このことから腰痛だけではなく、体の上部にある疾患にも対応しています。
僕参(ぼくしん)
『僕』はしもべや召使い、『参』はお供をする、拝謁するという意味を持ちます。
取穴部位は足外側、崑崙の下方で踵の外側、赤白肉際(表裏の境目)に取ります。
腰痛で腰が起こせない時の特効穴で、ぎっくり腰などの急性の腰痛やこむら返りにも効果を発揮します。
金門
足の太陽膀胱経の郄穴ということで、急性の腰痛に効果のあるツボです。
取穴部位は足背、外果前縁の遠位で第5中足骨粗面の後方、立方骨下方の陥凹に取ります。
参考までに、以前の記事にも載せていた第5中足骨粗面の位置を示した画像があるので、ここにも載せておきます。
黄色い丸のあたりに骨の出っ張りが感じられると思いますので、ご自身でも確認してみてください。
太渓
足の少陰腎経の兪土穴で腎の原穴でもあります。
取穴部位は足関節後内側で、内果尖とアキレス腱の間の中央の陥凹に取ります。
わかりにくければ、崑崙の裏側と考えてください。
腰痛のほか、不眠や耳鳴り、歯の痛みなどにも効果があります。
ツボ以外で腰痛の時に反応が出る場所
最後にこれをお話ししておきましょう。
これは私が鍼灸学校の学生だった時代に聞いたのですが、腰痛の患者さんは腓腹筋の外側頭(ふくらはぎの外側)が緊張したりこわばったりしていることがあります。
特にツボなどがあるわけではないのですが、腓腹筋の外側頭を上から母指などでマッサージをすると反応が出ます。大抵は痛がります。ですがここをほぐしてやると、腰痛が楽になるのです。
私自身も仕事中にぎっくり腰になった時など、ここを揉んでいました。案の定、硬くこわばっていて痛い。でもここを揉んで、他にいくつか腰痛に効くツボを刺激するとかなり楽になりました。
それで何とか退勤まで騙し騙し仕事をしたこともあるくらいです。
皆さんも試してみてはいかがでしょうか?
最後に
これで本日のお話は終了とさせていただきます。
腰痛は仕事でもそうですが、普段からの生活での姿勢などが原因となる場合が多いです。
ぎっくり腰はやはり運動不足の場合に多いですね。最近はないですが、私も一時期はしょっちゅう起きて悩まされました。
また、下肢の痺れなどの症状が出てきた時には椎間板ヘルニアなどの可能性もあるので、1度医療機関を受診してみてください。
このお話で、少しでも皆さんの悩みが解消できればと思います。
それではまた次回、お会いしましょう!
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