長崎大学ではこのほど、5-アミノレブリン酸(5-ALA)が新型コロナウイルスの感染予防に効果があるという発見がありました。研究が進めば、新型コロナではまだ見ぬ治療薬につなげられるかもしれないとの噂も出ています。
しかし、5-ALAとはどんな物質なのか気になりますね?
調べてみると、なかなかのロマンが隠されていました!
5-ALAとは?
5-ALAは人体でも合成されているアミノ酸の一種で、GABAやオルニチンと似た構造をしています。しかしながらその起源は古く、およそ40億年前。
40億年前の地球上にすでに存在していた5-ALAは、現在地球に存在する全ての生命体に共通する祖先まで、遡って辿ることができると言われています。まさに生命開闢の祖と言っても過言ではありません。
そんな5-ALAのヒトの体での働きは、ただひとつ。『ヘム』という物質のもとになること。ヘムとは赤血球に含まれているヘモグロビンの中に含まれる物質で、酸素とヘムがくっついたり離れたりすることで全身に酸素を行き渡らせています。
それだけではありません。ヘムは食べ物や酸素からエネルギーを取り出してくれています。したがって5-ALAがなければ、私たちは生きていくことがままならなくなってしまうのです。
また、酸素が地球上に存在するのは植物の光合成によるものだと小学校や中学校の理科の授業で習ったと思います。実は光合成にも、5-ALAは利用されています。そのため5-ALAがなければ光合成が行われず、酸素が無くなって私たちは死に至るでしょう。
これらを簡単に言い換えれば、私たちの生殺与奪は5-ALAが握っているということになります。
今後、研究が進んだら5-ALAはどのように利用される?
今後の研究が進めば、5-ALAには人体への何らの毒性なしに新型コロナウイルス増殖抑制のための抗ウイルス薬としての活躍が期待されています。
実際、新型コロナウイルスに対して行った実験では5-ALAを投与した方としなかった方で、以下のような結果の違いが現れました。
画像出典:長崎大学HP
ちなみに5-ALAの作用機序ですが、コロナウイルスの持っているスパイクというタンパク質を無効化して、細胞への感染を抑え込むそうです。
何にせよ、今まで有効な治療法が確立されていなかっただけに、これはかなり期待が持てそうな結果となっています。
最後に
5-ALAの持つ可能性についてお話ししました。
生命開闢の時から存在する、ロマンの塊のような5-ALA。
是非とも研究を成功させて、新型コロナ感染予防の先駆けを担う存在になっていってほしいと思います!
それではまた次回、お会いしましょう!
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