抜け毛や薄毛の原因を東洋医学的な観点から解説。ツボは何を使う?

体の雑学
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 今回は鍼灸師免許を持つ私が東洋医学的観点から、抜け毛や薄毛の原因を解説していきます。

また、その理論を元にしてどんなツボを使うのかについてもお話ししていきたいと思います。

 

抜け毛や薄毛を東洋医学的な観点で見た場合の原因とは?

 実は私も最近、髪を洗うと昔よりも抜ける毛の量が多くなってきたように感じて少し焦りを感じています 笑

30代に突入した段階で薄くなるのは避けたいところなのですが・・・。遺伝もあるのでいずれは起こるだろうし仕方がないかなと少し諦め気味です。

とまぁ、私事はさておきまして本題に入ります。

 東洋医学的観点から抜け毛や薄毛を考える場合には、まず髪というものが東洋医学的には何でできているかを考えます。

さて、何からできていると思いますか?

ヒントは身体の中の、あるものの余りであるということ。

東洋医学では、人体のある部分は『骨余』や『血余』、『筋余』などといった概念から形成されています。

さて、わかりましたか?

この中で髪に関係するもの。それは『血』。

そう、髪は血の余りから作られているのです。ただ、余りと言っても文字通りの意味でなく、身体の中に物質が潤沢に存在する状態、と考えることもできます。

血が十分に体内にあるので髪を滋養する余裕がある、ということですね。

ですので単純に考えて、何らかの方法で血を補ってやることができるのであれば結果として抜け毛や薄毛に対して効果が出てくるということになります。

東洋医学での治療の考え方は、まず結果(この場合は抜け毛・薄毛への効果)があって治療法はその結果にたどり着くために考えるものですから、この考え方は間違いではありません。

 ところで血には、『精血同源』という言葉があります。これは血が足りない場合に、腎に貯めてある精を使って血を作り出すということです。また反対に精が足りない場合には血が精に変わることもあります。

つまり、精が不足した場合にも血の不足が起こることがあるため、症状によっては精を補うための治療も考えなければならないということです。

では次は、具体的にどんな症状が考えられるでしょうか?

血虚の場合には主としてめまいや顔面蒼白、皮膚の乾燥などの症状が現れます。

また五臓に関係するところでは、『心』では動悸や不眠、『肝』では目のかすみや目の乾燥、手足のしびれや震えが起こることがあります。これらは血が足りず、全身に十分に栄養を行き届かせられていないことにより生じるものです。

他にも食欲が落ち込むことで十分な栄養を摂取できず、精が不足して血の生成が不足した場合には脾胃の運化の失調などを原因とすることも考えられますね。

髪が血の余りから作られると考えた場合には、このように治療法まで結びつけていく必要があるのです。

 

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抜け毛や薄毛の際に用いる治療穴の候補

 ここからは実際に、どのツボを使用すればいいのかを考えていきましょう。

 血を補おうと考える場合。この場合には当然ですが、単純に血を補うのに効果のあるツボを選穴すれば良いことになります。

使用するのは腎経や任脈、脾経のツボが良いでしょう。これらは血の原料である精やその生成に関わっているためです。また任脈は『陰の海』とも呼ばれるため、血虚や陰虚などといった症例の際に有用な奇経です。

その中からツボを選穴し、治療に用います。

例えば腎経では、原穴である太渓。内くるぶしとアキレス腱との間に取ります。

原穴は臓腑の気の集まるところなので、ここを選穴することで臓腑の気を補うことができるのです。

任脈では関元。ここは丹田と言われる部位で、身体の気を生み出す大元の場所になります。ヘソから指4本分下(下方3寸)の場所にあります。

いくら血を生成しようとも、それを動かす気が不足していたのでは全身へ運ぶことがかないません。ですので、息切れや倦怠感、力が入りにくいという意味での無力感などが見られる時にはここにも鍼や灸を施しましょう。

なお腎の気も補うという意味であれば、気海というツボも使用できます。このツボはヘソのすぐ下にあって、親指1本半分くらいの場所です。

食欲不振から血の生成不足に陥っている場合には、脾経と胃経のツボを使いましょう。

足三里や太白、公孫といったツボを使うことで改善が期待できるでしょう。

足三里は膝のお皿の両側にある窪みのうち、外側の窪みから指4本分下(3寸)の位置にあります。

太白は足の内側で、親指の付け根のふくらみを越えたところで皮膚の境目にあたる部分にあります。

公孫はそこからかかと側へと指でなぞっていき、指が止まるところに取ります。

もちろんこれはあくまで治療穴の一例ですので、患者さんによっては他の反応点も考えられます。

そういったツボを見つけて処置を施すことで、患者さんの症状改善と信頼につなげていくことができるのです。

 

最後に

 東洋医学的観点から抜け毛や薄毛に関して切り込んでみました。

 東洋医学はやはり、自分の頭でイメージして考えることが重要と私は考えています。イメージを具体的にすることで、どの臓腑に対して治療すれば良いかが明確になってくるからです。

 それではまた次回、お会いしましょう!

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