何となく喉に違和感や異物感があるのに、何度咳払いをしても出てこないといったような症状はありませんか?
痛くもないから放っておいても良いけれど、ずっとエヘンエヘン言っているのもこのご時世ですから、もしかすると周囲から嫌な視線を向けられることになってしまうかもしれません。
今回はその原因となっている梅核気の症状、予防法についてお話ししていきます。
梅核気とは
梅核気とは東洋医学的な病名であり、西洋医学的には咽喉頭部異常感症と言います。また別名を、ヒステリー球とも言います。何らかのストレスによって喉の違和感が出ますが、詳しいことはまだあまりわかってはいません。
ちなみに何故、梅核気というかといえば、喉に梅の種のようなものが詰まっている感じがすることからきているそうです。
原因
実は私も、この梅核気によくかかります。お酒を飲み過ぎた翌日の朝は起こりやすいですね。痰かなと思って何度も咳払いするのですが、一向に出てきてはくれません。
意地になって咳払いを続けてしまい、結局喉の粘膜が切れて血の匂いを感じることがしょっちゅうです(笑) わかっているはずなのに、何故か繰り返してしまうんですよね。
梅核気は東洋医学で五臓の肝と関係が深い病です。そのため、お酒を飲みすぎることも肝にストレスをかけることになり、それが原因で梅核気を発生させると考えることができます。
何故、梅核気が肝と関係が深いのかといえば、肝が主る感情にあるからです。五臓の肝が主る五志(感情)は『怒』。怒りはストレスからも生まれる感情です。そのため、感情が行き過ぎれば肝の中で暴れてしまい、結果として体に不調を引き起こします。
西洋医学的に原因を見た場合でも、やはりストレスが最も多く挙げられています。不安や緊張など、何らかの強いストレスを受けることで自律神経の活動が乱されてしまい、交感神経の働きが強まります。
交感神経の働きが強まると喉の筋肉を強く収縮させてしまうため、違和感や異物感を与えてしまうと考えられています。
また、梅核気になりやすい性格の人としては、心配性・生真面目・我慢強い・責任感を感じやすい人などが挙げられます。
他に完璧主義の人も、できなかったことに対してストレスを感じやすそうですから、なりやすいタイプと考えられます。
症状
梅核気の症状の出方は個人差が大きく、私のように出てこない痰が絡むようなタイプであったり、物が喉につかえる感じ、喉がイガイガする感じなど、実に様々です。また、普段は無症状なのに物を飲み込むときだけ症状が出る、などという場合もあります。他にも人によっては吐き気や不安感、咳、息苦しさなどが現れることがあるようです。
時間帯もはっきりとはせず、夜間だったり明け方だったりと不定です。それから症状が強くなる例として、嫌な思いをしたり苦手とする人物に会った時などが挙げられます。
治療
鍼灸の観点からですが、梅核気の治療をするとした場合の簡単な例を挙げてみます。
なお今回は経絡治療で梅核気の原因を、肝の実証によるものと考えます。実証は風船で例えると空気がパンパンに詰まった状態。ですから、それを抜いてあげるような治療を施します。
肝経の原穴などに『迎随の瀉法(経絡の流れに逆らう刺し方。即刺即抜)』を行います。また、表裏の関係である胆経にも同様の治療を施します。
また、脈診で肺の脈がもともと弱いと感じられる場合には、先に肺の原穴に刺鍼しておき、治療中に置鍼をしておくのも良いでしょう。この理由は相克の関係。肝は肺によって、機能が行き過ぎないように抑制されているためです。
予防法
梅核気の原因はストレスが最も多いので、まずはストレスの元を断つことが重要です。もしも難しい場合は、スポーツやマッサージを受けに行くなどして気分をリフレッシュさせることが大切です。
また、十分な睡眠をとって疲労を溜めないことやバランスの取れた食事をすることも、体調面からくるストレスの緩和につながるので心がけていきましょう。
最後に
梅核気についてお話ししました。
梅核気を予防するには、何よりもまずストレスを溜めないことが重要ということを覚えておいてください。
それではまた次回、お会いしましょう!
コメント