ドンペリドンをご存知でしょうか?ドンペリといっても、お酒の仲間ではありませんよ!実は吐き気どめとして処方されている薬なのですが、突然死を引き起こすという話があるのです。
今回はドンペリドンの怖い副作用についてお話ししていきます。
ドンペリドンとは?
ドンペリドンは吐き気や嘔吐を抑えるための薬として医師から出される処方薬。この薬がどのように体内で作用しているかというと、胃や十二指腸でのドーパミンの働きを抑えて消化管の運動を抑制し、吐き気に関与している化学受容体に作用することで、症状の改善を図ります。
「ドンペリって名前に入ってるくせに吐き気どめ?矛盾しとらん?」とか無粋なツッコミはやめて差し上げてください。
成人では通常、慢性胃炎や胃下垂などで処方され、小児では上気道感染症(いわゆる風邪)に伴う消化器症状や、周期性嘔吐症などの治療に用いられます。
ちなみにこの薬は、妊娠している場合は胎児の先天性の病気等を誘発する可能性があることから『禁忌』とされ、使用することができないと言われ続けてきました。
しかし最近になって国立成育医療研究センターが過去の統計を見直したところ、ドンペリドンを服用した場合とそうでない場合とでは、胎児が先天性の疾患に罹る確率に大きな差はないとし、妊婦にも処方できるのではないかとの見解が示されました。
突然死を招くことも?ドンペリドンの副作用
ここからはドンペリドンの副作用についてお話しします。
ドンペリドンの副作用は、主なものでは腹痛や下痢、めまいや眠気などのほか、発疹や女性化乳房などが報告されています。
女性化乳房とは、男性の胸が女性の胸のように膨らんでくることです。先日、未成年への犯罪行為が明るみに出て世間を大騒ぎさせた挙句、引退した元・Youtuber『ワタナベマホト』も過去にかかって治療していたことを覚えています。
他に重い症状でいうと、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックがあり、発疹や発赤、呼吸困難などの症状が現れることがあります。
また筋肉がこわばったり、手足が震えたりといった症状や、意識が朦朧としたり、全身のだるさや食欲不振、皮膚や目の黄疸などがみられることもあります。
と、ここまででは突然死に関係しそうな副作用はないんじゃないの?と思えますね。
しかしドンペリドンには、薬剤師から薬をもらう時に渡される説明書にも基本的に書かれていない、隠れた副作用が存在するのです。
その副作用を起こす器官がどこかと言うと、心臓です。
ドンペリドンは心電図のQT波の延長を引き起こし、致死性の不整脈を誘発しているとの報告が海外でされており、特に重篤な肝障害や心疾患を持っている患者への処方は注意するべきだとの意見があるようです。
画像出典:ウィキペディア
QT波とは?→心臓が収縮を始めるのがQ波で、弛緩するのがT波。その間の時間をQT時間(図の青い部分)と言う。QT延長とは、この時間が異常に長くなってしまう状態のことを指す
最後に
ドンペリドンについてお話ししました。
怖い副作用もある薬ですが、吐き気どめとしては現在最もポピュラーに使われている薬でもあります。
どうでもいい話ですが、私はこの薬の名前の響きが好きです。語感が良いですよね。ドンペリドンって(笑)
名前から漂うパリピ臭・・・。吐き気どめなのにドンペリ。皮肉が効いてて好きですねぇ。
それではまた次回、お会いしましょう!
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