慢性腎臓病の原因疾患は?生活習慣の乱れから迫る自覚できない殺人者

体の不調や病気の雑学
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 『腎臓は沈黙の臓器』という言葉を聞いたことはあるでしょうか?肝臓なら聞いたことのある方もいるかもしれませんね。

腎臓は私たちが生きていく上で欠かせない重要な働きである『血液の濾過』を担っている臓器。自身にどんなにキツい負担がかかろうと、黙々と自分の仕事を続けます。

例えるなら、どれだけブラックな職場に身を置こうと文句のひとつも言わない『最強の社畜』。でもいつかは、限界を迎えてしまうもの。負担が積もり積もった時、ついに悲鳴をあげます。

が、その時にはすでに腎不全に陥っていることが多く、もう手遅れということがほとんどで、透析や移植を受けなければ生きていけないということにもなりかねません。

今回はそんな慢性腎臓病を引き起こす原因疾患や、リスクとなりうる生活習慣についてお話しします。

 

慢性腎臓病とは

 慢性腎臓病とは特定の病名ではなく、生活の乱れからくる生活習慣病と加齢を要因として起こる腎臓病のことを言います。

なお、以下のような内容に当てはまる方は、慢性腎臓病の潜在的な発症リスクが高いとされていますので注意を要します。

  • 高齢である(50〜60代)
  • 家族に慢性腎臓病を患ったことのある人がいる
  • 過去の検診の際、尿や腎臓の機能に異常がみられた
  • 腎臓の形の異常がある
  • メタボである
  • 高尿酸血症である
  • 急性腎不全にかかったことがある
  • 膠原病にかかっている
  • 尿路結石になったことがある

 

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慢性腎臓病を引き起こす生活習慣とは?

 慢性腎臓病を引き起こす悪い生活習慣は、暴飲暴食、運動不足、過度な飲酒、喫煙などが挙げられます。

 これらが単独あるいは複合されて引き起こされるのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などのいわゆる『生活習慣病』なのです。

糖尿病と腎臓の関係

 糖尿病になってしまうと、高血糖の状態が長く続くことによって『糖尿病腎症』に陥ってしまいます。糖尿病腎症は糖尿病の三大合併症のひとつ。

血中の糖によって腎臓の血液を濾過する肝となる『糸球体』が傷つけられます

これを放置してしまうと腎障害による蛋白尿がみられるようになり、血中タンパクであるアルブミンが減少することでむくみなどが現れる『ネフローゼ症候群』を発症。

最後には末期の腎不全を起こしてしまい、透析や腎移植が必要な事態に陥ってしまうのです。

糖尿病腎症は発症してから10年以上経って現れるため、適切な治療や生活改善をしていない場合は、静かに、しかし確実に、着々と進行していくことになります。

 

高血圧と腎臓の関係

 塩分を摂りすぎると高血圧を発症しやすくなるというのはご存知だと思いますが、腎臓は血圧を調節するためにも一役買っています。

血中から余分な水分と塩分を取り出して尿として排泄することで、血圧の調節を助けているのです。

腎臓と血圧の関係はとても深いものですが、高血圧が続いてしまうと腎臓内の血管が傷んでしまいます。

すると動脈硬化を起こしてしまい『腎硬化症』を引き起こします。これについての説明は後ほど。

 

脂質異常症と腎臓の関係

 血中コレステロール値が高くなると『脂質異常症』を起こします。多くは中性脂肪や悪玉コレステロールが高い状態のことで、動脈硬化を引き起こす原因になります。

この脂質異常症は腎硬化症の他にも、心臓病や脳卒中などを引き起こすこともあり、特に狭心症や心筋梗塞などは慢性腎臓病と一緒に病状が進行していくことから『心腎連関』とも言われています。

 

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腎硬化症とは?

 上記2つの原因(高血圧や脂質異常症)によって動脈硬化を起こすと、次第に腎臓の血管は傷んでしまい『腎硬化症』を発病しやすくなってしまいます。

これには良性と悪性のものがありますが、悪性のものは急速に腎機能の低下がみられます。

そして腎機能が低下することによる恐ろしい事態が起こってきます。

腎機能が低下して尿を作れなくなり、余分な水分や塩分を出すことが困難となると、腎臓は自身への血流量を増やすため、『レニン』というホルモンを出して血圧を上げてくれと要請します。

これによって血圧が上昇することになり、高血圧と動脈硬化が続いて腎機能をさらに低下させるという悪循環が引き起こされてしまうのです。

真面目に仕事がしたいのに、自分の出した要請によって仕事ができなくなっていくというのは、皮肉にも程がありますね。

 

高尿酸血症と腎臓の関係

 血中の尿酸値が 7.5mg 以上の高尿酸血症になると、血中に増えすぎた尿酸が腎臓に蓄積してしまうことで炎症を起こします。これを『痛風腎』と言い、腎臓結石・尿路結石を引き起こすことがあります。

尿酸値を増やす原因としては主に、プリン体の摂取のし過ぎとされます。

ビールや魚卵、あん肝などは痛風リスクを高めやすいと言われていますね。

 

最後に

 慢性腎臓病についてお話ししました。

 沈黙の臓器と言われるだけあって、本当に初期は自覚なく進行していくと言われる腎臓病。

 自覚できる症状がないので、たとえ検査で異常が出たとしてもその後、病院に行かず放置したり、1度の来院のみで終わらせてしまう人もいるのだとか。

 気にせず放置した結果、将来的に人工透析に頼らざるを得なくなったとしても・・・。

 薄情な言い方にはなってしまいますが、それは自業自得としか言いようがないですね。

 いかに日頃から自身の健康に関心を向けられるか。それが将来の健康を掴む鍵となるのです。

 それではまた次回、お会いしましょう!

 

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