子供がタバコを誤飲してしまったら・・・。そう考えている親御さんは多いと思いますが、実は私も赤ん坊の頃にタバコを食べてしまったことがあると、母から聞いたことがあります。
今回はそんな時の対処法と、事故を未然に防ぐ方法についてお話しします。
タバコは誤飲事故の中でも最も多い!?
日本は海外諸国に比べると、誤飲事故が起こりやすいと言われています。その原因として挙げられているのは、床に直接座るという日本の伝統的な風習です。
私たち日本人は、床に直接座るという習慣が身についています。この習慣のために、物も手の届く床に置くことが多く、子供が手の届きやすい環境にあるのです。
そんな中でも最も多いと言われているのが、タバコの誤飲事故。特に、生後半年から11ヶ月の乳児に多いとされています。
市販されている紙巻のタバコには1本につき、平均で20mgほどのニコチンが含まれていると言います。このニコチンは毒性が非常に強く、大人でも40〜60mgを摂取すると致死量に値します。子供(乳幼児)であれば10〜20mgです。
しかしながらニコチンは胃の中では酸性の状態となり、ニコチンが溶け出していくのに時間を要します。また胃の中に入ると嘔吐を誘発するため、過度に摂取してしまった場合は自然と吐き出すこともあります。
しかし水に浸してある場合は別で、100%のニコチンが水の中に溶け出すことになります。
ですから灰皿などに水を入れて防火の対策をしている液体を飲んでしまった場合、中毒症状が出るのは当然ながら、致死量を摂取してしまうことになりかねないのです。
誤飲した場合の症状は?
ではタバコを誤飲するとどのような症状が出るのでしょうか?具体的には次のようなものがあります。
- 吐き気や嘔吐
- 口の中の灼熱感(焼けただれるような感じ)
- 唾液の増加
- 腹痛や下痢
- 顔が青白くなる
- 興奮作用
- 頭痛
- 手足が震える
- 冷や汗
- めまい
- 視力の障害
- 呼吸が速くなる
また、重篤症状として呼吸困難・全身けいれん・呼吸停止などの症状が出ることもあります。
症状が出始めるのは、嘔吐が摂取後1時間以内、そのほかの症状は2〜4時間以内とされ、4時間を過ぎて症状がない場合には、その後に症状が出ることはないとされています。
子供がタバコを食べてしまったら?
子供がタバコを食べてしまった場合に、してはいけないことがあります。それは水や牛乳などの水分を取らせること。
その理由は、水分を取らせてしまうことで胃の中の酸性度が中和され、ニコチンが溶け出しやすい状態となってしまうからです。
ニコチンに対して解毒薬のようなものは存在しないため、いかにニコチンを吸収させないかが鍵となります。
子供がタバコを食べてしまったことに気が付いたら、いつ頃、どのくらいの量を、どんな状態で食べたかを確認します。そして可能なら、その場で吐き出させましょう。
方法としては、まず口の中にあるタバコを掻き出します。それから子供を床の方へ向けて指を口の奥へと突っ込んで嘔吐反射を誘発させます。
イメージとしては、お酒を飲み過ぎて具合が悪くなって吐きたい時にトイレでやるアレです
ですが乳児の場合だと、実際に飲み込んでいる量は少なく済んでいることも多く、吸収され始めたニコチンに反応して自然に嘔吐する場合もあります。
また、食べたタバコの量が2cm以下の場合は一旦様子を見て、4時間が経過しても何もなければ問題はないでしょう。
しかし上記の症状のどれかが出た場合や、食べたタバコが2cm以上の場合、ニコチンの溶けた液体を飲んでしまった時は胃洗浄を受けるために小児科など医療機関を受診してください。
最後に
タバコの誤飲についてお話ししました。
最も危険なのは、子供の手の届くような場所にタバコなどを置いてしまうことです。
これは親が注意さえしていれば防げますので、身の回りの整理整頓を常日頃心がけるようにすると良いでしょう。
ちなみにですが、私は確かタバコを食べた時は胃洗浄をしたという話でした。
父がヘビースモーカーだったこともあり、灰皿に入っていたタバコをほとんど食べてしまっていたらしいです。
そんなことにならないよう、くれぐれも気をつけてくださいね。
それではまた次回、お会いしましょう!
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