加齢による脱毛とは関係なく起こってしまう円形脱毛症。通称を『10円ハゲ』と言いますが、どうして起こってしまうのでしょう?また、その時体内では何が起こっていると思いますか?
今回は10円ハゲの原因と、鍼灸治療では一般的にどう治すのかについてお話しします。
10円ハゲの原因は?体内では何が起こっている?
円形脱毛症の主な原因となっているのは、過度なストレスです。ストレスを受けることで頭部の血行が悪くなってしまい、髪に必要な栄養や酸素が不足します。すると髪を作ることが困難となり、抜けた髪が元に戻らなくなってしまうのです。
また、過度なストレスを受けると体の抵抗力が落ち、体の免疫機能が徐々に疲弊して侵入者やがん細胞などに対して過敏な反応を示すようになっていきます。
円形脱毛症は、ストレスによる免疫系の疲労を大元とする自己免疫疾患に属する病気です。自己免疫疾患とは、免疫細胞が体内の正常な細胞を誤って攻撃してしまうことを指します。
免疫系の司令塔であるヘルパーT細胞もまた疲弊しており、髪を造っている『毛母細胞』を攻撃するよう誤った命令を出してしまいます。
この理由は、毛母細胞の増殖速度が速いから。その速さを『がん細胞』の増殖速度と勘違いしてしまうためにこのような命令を出します。
実働部隊のキラーT細胞は命令通りに忠実に行動します。彼らにはすでに、善悪の判断はつきません。何故ならば、疲れ切って判断力を失ってしまっているからです。
そうして毛母細胞が攻撃されて髪を造れなくなっていくと、ついには毛包が損傷して髪が抜け始めてしまいます。
そして皆さんの知るところの円形脱毛症、いわゆる10円ハゲとなってしまうのです。
10円ハゲを治すには?
円形脱毛症の治療薬には、一般的にステロイドが用いられます。これはヘルパーT細胞が追加で命令を出したヒスタミンによる炎症を抑える役割があり、ヒスタミンによって暴走したキラーT細胞を落ち着かせる役割も持っています。
また日常生活では、まずストレスを溜めないことと適度な運動をすることが挙げられています。
鍼ではどのような治療を施す?
鍼灸治療の場合には、『梅花鍼(ばいかしん)』という方法があります。これは円形脱毛症になっている患部周囲を鍼で刺激する方法で、血行を促進して髪の再形成を促します。
また、東洋医学で髪は『血余(けつよ)』とも呼ばれています。これは髪は血の余からできているということで、血が十分に体内にあれば髪の健康が保たれるということを指しています。
ですから患者の体質等に合わせて、血を補給したり血行を改善するツボを選穴して治療を施すこともあります。
最後に
10円ハゲこと円形脱毛症についてお話ししました。
突然髪が抜け落ちてきたら誰しもショックを受けると思います。
私ももうすぐ30ですので、年々怖くなってきているところです。
なお今回の解説の参考とさせていただいたのは、現在アニメ放送中の『はたらく細胞BLACK』第5話です。
正直BLACKの方は現在、同時放送されている『はたらく細胞!!』と違って、観ていて自分にも当てはまるようで怖いところが多々ありますが、体のことを知れるので一度視聴してみるのはいかがでしょうか。
それではまた次回、お会いしましょう!
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