ビタミン欠乏が認知症の引き金に!?ビタミンと脳の切れない関係とは

体の雑学
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 ビタミン欠乏が認知症の引き金となる。ビタミンと脳は、実は切っても切れない関係にあるのです。

 今回はビタミンが足りなくなることで何故、認知症が起こるのか。そのメカニズムについてお話しします。

 

ビタミン欠乏と認知症の関係

 ビタミン不足で認知症になると言っても、ではどのビタミンが不足することで起こるのでしょうか。

 それはビタミンB群。ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性のビタミンで、ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシンなどがあります。

ビタミンB群は認知症予防にどのように関係する?

 認知症の予防において重要となるのは、ビタミンB6、B12、葉酸と言われています。これら3つは神経にダメージを与えてしまうホモシステインという物質を分解するために必要になるのです。

ホモシステインは体内で産生されるアミノ酸の一種で、血中濃度が高くなると動脈硬化を進行させ、脳梗塞や脳卒中などのリスクを高めることで知られています。

脳血管が詰まったり出血を起こすと、その先や周辺の神経細胞が壊死してしまい、脳機能が低下して認知症や、ひどい場合は麻痺などになる可能性が高くなります。

またホモシステインは酸素と結合した場合にも神経細胞を障害してしまい、加えてアルツハイマーの原因となるアミロイドβの蓄積を促すことでも知られています。

 

ビタミンB群が持つ重要な役割

 ビタミンB群、中でもビタミンB1やB2などが持つ重要な役割。それは血中の糖の代謝です。このためビタミンB群が不足していると、血糖値が下がりにくくなってしまいます。

すると余った糖はタンパク質と結合して、老化を早める物質を作り出します。

ちなみにこの現象のことを『糖化』と言います。体が焦げていく、一種の老化現象のことです。

別記事で詳しく解説していますので、気になる方はこちらからどうぞ。

 

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 また、血糖値の高い状態が続くと神経細胞がエネルギーを取り込みにくくなってしまいます。糖は神経細胞のエネルギー源ですから、それを利用できなくなるということはエネルギー不足となって脳の機能低下に繋がることに。

さらに悪いことに血糖が高くなればなるほど膵臓から血糖値を下げるインスリンがどんどん分泌されますが、これを分解する酵素が脳内ではアミロイドβを分解する役割を持ちます。

つまりインスリンが出すぎて酵素が足りなくなってしまうと、脳内にはアミロイドβが蓄積していってしまうことになり、アルツハイマー型の認知症を起こす引き金となるのです。

ですから、糖尿病がアルツハイマーの危険因子と言われているのはこれが理由になります。

 

ビタミンB群は神経伝達物質を作ることにも関係しています

 神経伝達物質は、神経が隣の神経に信号を伝えるために必要な物質のこと。セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、GABA(ギャバ)。これらの言葉を聞いたことはあるでしょうか。

これらの物質はタンパク質の合成材料のアミノ酸を原料にして葉酸やナイアシン、ビタミンB6などの助けを借りて合成されています。

ですからビタミンB群が体内に不足していると、これらの物質の産生が減って脳の働きが低下してしまう可能性が出てきます。食べ物の好き嫌いや消化機能の衰え、ダイエットなどの理由でレバーや卵などを避けるようになってしまうとビタミンB群が不足する可能性があります。

特にベジタリアンの方はビタミンB12の不足に気をつけてください。野菜にはビタミンB12が含まれていないためです。

ただ、葉酸はビタミンB12と似た機能を持っていて代わりをしてくれるため、枝豆やアスパラガスなどを食べると葉酸を多く摂取することができます。

 

最後に

 ビタミン欠乏と認知症の関係についてお話ししました。

 今回は認知症予防のためにビタミンB群を摂ることを推奨しましたが、健康でいるためにはバランスよく栄養素を取ることが重要です。

 各ビタミンの効果と多く含まれる食品はこちらの記事で解説しています。参考にされてみてください。

 それではまた次回お会いしましょう!

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