『未病』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
実は、放っておくと危険な病気にもつながりかねない体の状態を表しているのです。
今回は未病とはどのようなものかということについてお話しします。
未病とは
未病は病気になっていないけれど、どことなく体に不調がある状態を指して言う言葉です。元は東洋医学の中医学の古文である『皇帝内経』で登場した言葉でした。
「最近、なんとなく体がだるいなー」とか「肩が上がらないような感じがして調子が悪いんだよね」などといったものが全て、当てはまります。したがって、年齢はそれほど関係がないのです。
確かに高齢になるほど体の不調は増えていきますが、未病に関してはそうとは言い切れません。
また、未病の怖いところは病院に行かずともいつの間にか治っていたり、症状が軽かったりと様々な様相を示すところです。
「もしかして治った?」と思ったその裏に、何か大きな病が隠れているかもしれないのにも関わらずです。
ですから、「最近なんだか不調が続くなぁ」と感じた時は、早めに病院を受診して異常を見つけることが大切になります。
私も最近はストレスや普段の姿勢からか、イライラしやすくなったり、体がだるかったり、寝ても寝ても寝ていたいといったような思いをすることがあります。首肩も重だるくなって頭痛が起きたりと、結構シャレにならない辛さを感じる時があります。
ですが、実はこれは春に多い未病のサイン。まだ2月ではありますが、先日節分を迎え、暦の上ではもう春です。春は次第に温かくなってきて活動が活発になりますね。体内の気や血のめぐりがよくなってくることで、私たち人間も冬に貯めたエネルギーを解放し始めるのです。
また、『春眠暁を覚えず』といった言葉もあるように、春は陽気のおかげで眠くなる季節でもあります。
人体では肝と関係の深い春の季節。陽気のおかげで木々が上へ伸びて成長するように、人間の気もまた、上へと昇っていく傾向にあります。
この傾向が強い体質の人というのは、ちょっとしたことで頭に血が上る、いわゆる怒りっぽい人が該当しています。
他にも春は風邪(ふうじゃ)の活動が活発になることによってカゼをひきやすくなり、鼻水や鼻づまり、喉の痛みなどがみられるようにもなってきます。めまいやのぼせも、気が体の上部に昇ってくるために起こる症状です。
では、最後に未病でみられる症状の例を一覧にしてまとめておきます。
- 立ちくらみ
- 目のかすみ
- 髪の毛などの脱毛
- 顔色が悪い
- 雨の時に体調が崩れることがある
- 息切れ
- だるい、すぐに疲れてしまう
- 食欲が出ない
- 喉に何かが詰まるような感じや、イガイガするような感じがする
- 朝に弱い、起きられない
- こむら返りを起こしたり、よく足が攣ってしまう
- 静脈瘤 など
ちなみに喉に何かが詰まるような感じに関しては『梅核気』という東洋医学的な病気があてはまりますので、よければこちらの記事を参考にしてください。
最後に
未病とは何かについてお話ししました。
長く続く体の不調で、思わぬ病気が見つかることもあります。
それを放置してしまうと最後には取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
早めに医療機関を受診して、検査を受けるように心がけておいてください。
それではまた次回、お会いしましょう!
コメント