耳が痒くて痒くてたまらない・・・。そんな経験はありませんか?
特に耳の中。痒いからと気になって、指で掻いたりさらに耳掃除をしてしまったり。
しかしこれらの行為は実は、耳にとっては良くないこと。
今日は耳の中が痒くてしょうがないという方のために、私自身の経験をもとに、いくつか原因となる疾患のお話をしていきたいと思います。
私が経験した耳のかゆみ
私が最初に耳のかゆみを自覚したのは、今からおよそ3年くらい前のこと。
なんだかいつもよりもやけに左耳が痒いと思い、やってはいけないことと思いつつも気になりすぎて指で掻いてしまいました。
しばらくしてかゆみも収まり、治ったかなと思って耳の入り口あたりを軽く指で触れてみると・・・なんだかガサガサしたものが耳の中にこびりついているではありませんか。
慎重にそれを剥がしてみると、大きめの白いかさぶたのようなものが取れました。耳垢とは違う何かです。例えるなら日焼けの薄皮を剥がした時のような・・・。でも少し厚みもあるような感じで。そして時には微量の出血を伴ったり。
しかも耳の中には、そのかさぶたを細かくしたようなものが多量に存在していたようで、指にも付いてきました。
とりあえず一度症状が緩和したので放置してしまい、そしてそれからも数ヶ月に一度くらいのペースで同じように 痒くなる→収まる を繰り返して、1年ほどが経過したところでさすがに繰り返しすぎて気になったので耳鼻科へ。
ちょっと放っておきすぎたようです。当然ながら病院の先生にはしこたま怒られました。
どうしてこんなになるまで放っておいたんだと。すぐ来れば良かったのにと。
病院でしょぼくれる私。
治療は受けましたが未だに症状は繰り返すため、定期的に病院に通っています。
なお症状が出たのは左耳のみで、右耳には一切出ていません。
耳の中が痒くなってしまう疾患を原因別に紹介!
ということで今日の本題です。耳の中が痒くなってしまう疾患を原因別に4つ、紹介していきます。
なお、この中に私が罹った疾患もありますので、どれなのか考えてみてください。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは文字通り『脂が漏れる』と書き、肌の中でも脂の分泌の多いところに発生しやすい皮膚炎です。
耳と何の関係があるの?と思われるのは当然です。普通、脂が出やすいといえば顔や頭皮が代表的ですからね。
しかしながらこの皮膚炎は耳の、外耳道においても起こりやすいことで知られています。これは耳の入り口のところも皮脂の分泌が多いため。
外耳道→耳の入り口から鼓膜までの区間
この疾患の多くは肌質が関係しますが、中でも皮膚の常在菌である『マラセチア』という真菌が関係します。これはカビの一種で、この菌が分泌された脂分を分解して耳には炎症を起こし、頭皮ではフケのようなものを作り出します。かゆみについては、ある場合もあればない場合もあるようです。
好発年齢は40代以上と言われます。特に脂分の分泌が多い人や、シャンプーの洗い方や回数が不十分で皮脂などが残りやすい人に起こりやすいようです。
また肌質では、先ほどのような常在菌の多い人だったり、元から肌が弱い人に出やすくなっています。
耳の場合の脂漏性皮膚炎の予防法ですが、お風呂で泡立てた泡で耳の入り口周辺を丁寧に洗ってすすぐようにしてください。
外耳道湿疹
外耳道湿疹は耳かきや綿棒のやりすぎが原因となって起こる疾患です。これらのやりすぎによって外耳道の皮膚が炎症を起こしてしまい、これが原因となってしつこいかゆみを引き起こします。
耳の皮膚は身体の中でも特に薄く弱いので、何度も耳かきをすると耳の皮膚表面が傷ついてしまい刺激に弱くなります。ですのでまずは炎症を抑えて、かゆみが収まるまでは耳かきを我慢。治っても1〜2週間に1回程度にしてください。
本来、耳かきというものは必要ないと言われます。これは耳かきをしなくても、人間の耳には自浄作用があって、耳垢がたまると自然と外へ排出してくれる機能が備わっているため。
ですので私も耳かきは気が向いた時にやる、くらいにしています。
外耳道真菌症
外耳道真菌症とは、外耳道に真菌(カビ菌)が感染することで炎症を起こす疾患です。
この疾患の原因は、先ほどの外耳道湿疹や外耳道炎などの炎症が長引くことや耳かきのし過ぎによって外耳の皮膚に傷ができてしまい、そこに真菌が入り込んで増殖することなどが挙げられます。
通常であれば皮膚に真菌が付いたところで発症はしないのですが、上記のような耳のバリアの役割を果たす機能に欠陥があると真菌が侵入しやすくなってしまいます。
他にもイヤホンを長時間つけ続けることで耳の中の換気が悪くなってしまい、真菌増殖の原因となることもあります。
症状は耳のかゆみや痛みのほか、耳垂れ(耳から汁が出る)、耳垢の変色、外耳道の腫れ(真菌が外耳道の皮膚下にいるため起こる)などがあり、時にはカビが塊を形成してしまうことで耳が詰まるような感覚を覚えることもあるそうです。
これら真菌を全て取り除くには非常に時間がかかるうえ、自然治癒はほぼないそうなので、もし疑わしい場合にはきちんと耳鼻科で治療を受けましょう。
乾癬
乾癬は戦後から特に増加が著しいと言われる疾患で、皮膚科を受診する患者の2〜3%を占めると言われています。
一般的に湿疹ほどかゆみは強くなく(ただし出来はじめと症状悪化時はかゆみのある患者が多い)、その形状は大変特徴的と言われます。
円形ないしは楕円形の、皮膚の赤く盛り上がったところの上に、白または銀白色の角質が張り付き、雲母石のようにまとまった状態でペロンと剥がれてしまうことがあるといいます。
また、これを無理やり剥がした場合に出血を伴うことも特徴の1つです。
原因については様々な説がありますが、はっきりとした原因は不明で今も研究が進められています。
ただ、乾癬を増悪させるファクターはある程度判明していて、暴飲暴食や過度の精神的・肉体的ストレス、偏食、風邪をはじめとする様々な感染症などがわかっています。
なお、一般に乾癬に罹った場合に分類されるのは『尋常性乾癬』というタイプのものです。
乾癬の完治は難しいですが、決して不可能ではないといいます。これは乾癬という疾患が症状の寛解と増悪を繰り返すため。
治すためには根気よく、時間をかけて長く付き合っていくしかないということですね。
最後に
耳のかゆみの原因について、知っていただけましたでしょうか?
皆さんももし耳のかゆみが気になるのであれば、私のように怒られないためにも早めに耳鼻科を受診してくださいね。
それではまた次回、お会いしましょう!
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