咳や鼻水、目のかゆみ。特に何も心当たりがないのにこれらの症状が出るとしたら、それはハウスダストによるアレルギーが原因かもしれません。また、モーニングアタックという言葉をご存知でしょうか。
今回は、ハウスダストアレルギーで起こる疾患4つと日常生活でできる予防の方法を解説します。
ハウスダストとは
ハウスダストは家の中のチリやホコリなどの中でも、1mm以下の目に見えにくいもののことを言います。これにはダニのフンや死骸のほか、カビや細菌、花粉、繊維のクズ、ヒトの体から落ちた皮膚片やフケ、ペットの毛など、様々な種類があります。
疾患と症状
私たちの体は異物が侵入したことを感知すると、それを排除しようとする機能が働きます。その反応が過剰となって起こるのが、いわゆるアレルギーの症状です。
これには次のような疾患があります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎でみられる症状は、ズバリ!咳・鼻水・くしゃみです。一見すると風邪と間違えてしまうので注意が必要です。
アレルギー性結膜炎
目のかゆみや充血、ゴロゴロするような違和感、涙目、痛みなどがあります。ただ、症状には個人差が出てきます。
アトピー性皮膚炎
もともとアレルギーを起こしやすかったり、皮膚のバリア機能が弱い人に起こりやすい疾患です。
ハウスダストによって皮膚が刺激されてアレルギー反応を引き起こし、湿疹やかゆみが出現します。アトピー性皮膚炎による湿疹は、赤みがあって湿っぽく、ひっかくと悪化するのが特徴的です。
また、石鹸や化粧品、金属や汗や汚れ、紫外線などが原因になることもあります。
気管支喘息
気管支喘息は空気の通り道である気管支に慢性的な炎症が起こる疾患です。
この疾患の原因は様々ですが、原因となるアレルゲンを吸い込むことで気管支の内側が腫れたり、大量の痰が溜まったりして呼吸困難が起こります。当然ながらハウスダストも、アレルゲンのひとつです。
また大人の場合は、重症化しやすいという傾向があります。
モーニングアタックとは?
モーニングアタックとは、何のことかご存知でしょうか?決して寝起きドッキリではありませんよ。
これは、朝起きた時にくしゃみや鼻水が出ることを言います。
この原因もハウスダスト。ハウスダストはとても軽いので、ヒトが動くだけでも舞い上がります。
しかし就寝中は、日中や帰宅時に嫌という程舞い上がるハウスダストもおとなしく床に落ちていきます。
それが起床後に動くことで再び舞い上がり、それを吸い込んでしまうことでくしゃみや鼻水が出てしまうのです。
日常生活でできるハウスダスト予防法
ヒトが生活する上でハウスダストは切っても切れない関係にありますが、しっかり予防対策をすれば被害を抑えることは可能です。
こまめな掃除洗濯
ハウスダストが床に溜まっている朝のうちに床クリーナーやモップをかけて、それから掃除機をかけるという掃除法を習慣化させるようにしましょう。
これはいきなり掃除機をかけてしまうと、掃除機の排気で大量のハウスダストが舞い上がってしまうため。また、その時窓を開けたりエアコンをつけたりすることでもハウスダストが舞い上がってしまうので注意してください。
洗濯に関しては、水溶性であるダニのフンや死骸を流すために行います。そのため寝具も洗えるものにするのが良いでしょう。シーツやタオルケットは1週間に1回、布団は年に1回を目安に水洗いしてください。
室温と湿度に注意
室温は20〜25℃、湿度は50%に保つようにしましょう。
ダニは高温多湿の場所を好むため、25℃を超えると爆発的に増えることで知られています。同様にカビも湿度が60%を超えると一気に増えます。
さらにそこへカビの栄養分となる皮脂や食べ物のカスなどがあると、さらに勢いがついてしまいます。
除湿機やエアコンを使用して湿度を下げ、浴室等は換気を良くすることを心がけましょう。
防ダニの工夫を
掃除機は吸引部をゆっくりと動かし、1畳あたり30秒以上の時間をかけて、それを週2回以上行いましょう。
フローリングなどホコリの立ちやすい場所の掃除では、拭き掃除をした後に掃除機をかけます。
カーペットや布張りのソファーやマットなどもダニの温床となり得ます。ベッドのマットや布団、枕にはダニを通さないカバーをかけるようにしましょう。
また、布団は週に2回以上干して風を通すようにしましょう。それが難しい場合は、室内干しや布団乾燥機などを利用するのも手です。さらに週1回以上は布団に掃除機をかけるようにすると、なおのことGood。
ペットの飼育環境を整えよう
アレルギーがある場合はできればペットは飼わないのが望ましいですが、屋内で飼っている場合、ブラッシングやシャンプーなどで出来るだけ清潔に保ってあげて、寝床もしっかりと掃除してあげましょう。
また、床に絨毯などを敷かない方が、ペットの毛を掃除するには良いです。
部屋に花粉を持ち込まない
花粉症が流行する時期では、できるだけ外出を控えるとともに部屋に花粉を持ち込まないことも重要です。
外出する場合はウールなど花粉が付きやすい服装は避け、帰宅の際には衣服や髪をよく払ってから家に入るようにしましょう。また、花粉が飛んでいる時期は窓や網戸は閉めておきましょう。
最後に
ハウスダストによるによる疾患と予防法についてお話ししました。
ハウスダストもアレルギーですので、原因を特定するためには病院での検査が必要になります。
鼻や耳の症状なら耳鼻科、目の症状なら眼科、皮膚の症状なら皮膚科、喘息のような症状であれば呼吸器科にかかりましょう。
しかし最近は、アレルギー科として開設し、専門にしているクリニックなどもあるようです。
ご自身の症状の重症度などと相談し、適切な治療をしてくれる病院やクリニックを選んでください。
それではまた次回、お会いしましょう!
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