物理的消毒法4つと化学的消毒法9つ。使用対象や注意事項の解説

感染症の雑学
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 昨今、新型コロナウイルスの感染爆発によって、アルコールによる消毒が盛んに叫ばれるようになりました。

 この記事を読んでいるあなたも、日頃から手洗いやアルコールによる消毒をしているのではないでしょうか?

 私も外から帰ってきたら、手洗いと手指の消毒を必ずするようにしています。

 ただそれでも、100% 細菌やウイルスの感染を防げるかといえば、そうではありません。

 また消毒するとしても、消毒剤ごとに正しい使い方をしなければ、適切な効果を発揮してはくれません。

 今回は皆さんへ消毒に関して、4つの物理的消毒法と9つの化学的消毒法の種類ややり方・特性についてと、消毒剤全般を扱う上での注意事項をお話しします。

 

物理的な消毒法

 物理的な消毒法とは、微生物が一般的に『熱と乾燥に弱い』という特性を利用して考案されたもので、微生物を文字通り物理的な方法で滅菌・消毒することを目的とします。

具体的なものには、熱・光線・音波・濾過があります。

それぞれに有効なもの・無効なもの・使用できるもの・できないものの区別が明確に定められていますので、このまま解説に入らせていただきます。

 

 熱による除菌は、微生物を除去することにおいて、最も知られた物理的方法ではないでしょうか。

 通常、微生物の発育に適した温度は10〜45℃で、大部分の微生物は高温に対して抵抗力を持ちません。

 そのため、病原細菌の多くは、60〜65℃で30分加熱することで、菌体のタンパク質が熱で変性して死滅します。

 しかし、破傷風菌やボツリヌス菌など、一部の菌は『芽胞』と呼ばれる厚い被膜に覆われています。

 これらの菌は100℃の加温にも耐え、121℃で15分の高圧蒸気滅菌でようやく死滅させることができます。

 

熱による滅菌法の分類

 大きく、乾熱滅菌法と湿熱滅菌法に分けられます。

 一般に、乾熱よりも湿熱による滅菌の方が菌体のタンパク質変性を起こしやすく、乾熱滅菌よりも低い温度での滅菌が可能です。

 

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乾熱滅菌法

 『火炎滅菌法』

 微生物を直火で完全に炭化させる方法で、ブンゼンバーナーやアルコールランプなどの器具を用います。

 家庭ではガスコンロやライターなど、火を扱って加熱するものであれば同じようにできると思います。

 芽胞を含む、ほぼ全ての微生物を死滅させられ、ガラス・磁器・金属・繊維と全般的に使用できます。

 ただし、熱を加えて燃やしてしまうことが前提ですので、焼けてしまっても問題ないものである必要があります。

 

 『乾熱滅菌法』

 乾熱滅菌器(電気オーブンなど)を利用して行う滅菌法で、これは温度と時間が定められています。この通りに設定しないと十分な滅菌効果が得られないので注意してください。

 一般に、160℃で120分、170℃で60分、180℃で30分となっていて、こちらも火炎滅菌と同様に、芽胞を含むほぼ全ての微生物を死滅させられます。

 高熱に耐えられる安定したものであれば、この滅菌法が使用できます。

 

湿熱滅菌法

 『煮沸消毒法』

 これは実際に経験したことがある方も多いでしょう。特に乳幼児のお子さんのいる方であれば、哺乳瓶などで行うと思います。

 哺乳瓶の場合は約5分と時間が短いようですが、本来は沸騰させたお湯に15分以上対象物を沈めて滅菌する方法で、ゴム製品やガラス、金属などに使用できます。

ただこの消毒法は芽胞とB型肝炎ウイルスには効果がありません。

ですので、これらの菌を死滅させたい場合は他の消毒法を使用してください。

 

 『低温殺菌法』

 これは主に牛乳などの殺菌に使われている方法で、62.8〜65.0℃の湯温中に30分暴露させる方法です。

 

 『平圧蒸気滅菌法』

  コッホの蒸気釜と呼ばれる、大きな蒸し器のような機器を用いて滅菌する方法で、100℃に熱した水蒸気中に30分暴露させます。

 またもう1つの方法として『間歇滅菌』があり、これは60〜100℃に加熱した水蒸気中に1日1回、30〜60分暴露させる作業を3〜5日繰り返すというものです。なお、滅菌休止中は20℃以上の温度を保つ必要があります。

 前者の方法は芽胞に効果がなく、また、一部のウイルスも生き残りますが、後者では芽胞を形成するものを含むほぼ全ての微生物を死滅させるため、効果が高いとされます。

ですのでより確実に滅菌したい場合には、手間をかけてでも間歇滅菌を選択するべきでしょう。

 

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 『高圧蒸気滅菌法』

 加圧滅菌器(オートクレーブなど)を用いて高圧の蒸気で滅菌する方法で、乾熱滅菌と同様に温度と時間が定められています。

 一般に、115℃で30分、121℃で15分、126℃で10分、134℃で3分と規定されています。

 この方法は、ゴムや紙、プラスチック製品やステンレス製品などが対象となります。

 高温高圧での滅菌なので、決められた条件さえ守れば、芽胞もその他の微生物も死滅させることのできる方法です。

 このオートクレーブは、私も学生時代に鍼皿などの滅菌に使用しました。

 ステンレスの鍼管は滅菌が終わったあと、ペーパータオルで中に入った水分を取り除くのが地味に大変な作業でした。

水分が残ると、そこから雑菌などが繁殖してしまうため、必ず取り除かないといけなかったんですよね。

 鍼管をペーパータオルに叩きつけて水を出して穴を覗き、中に残っていないか確認するだけなんですが、クラス全員分を当番制で2人1組でやっていたもので。

 

光線

 光線を利用した消毒法には、日光の紫外線、赤外線の熱を利用したものと、紫外線単独を利用したもの、放射線を使ったものに分けられます。

 

 『日光消毒法』

 皆さんも実際に経験したことがあるかと思いますが、これは簡単に言えば天日干しのことです。

 天気の良い日に3時間以上、日光に暴露させることで、紫外線などの熱で微生物を死滅させます。

 寝具や衣服に使うことが多い簡単な消毒法ですが、天気など気象条件で効果が異なるのが欠点らしい欠点です。

 

 『紫外線殺菌法』

 病院などの治療室や待合室で、青白く光る電灯やランプのような機器を見かけたことはないでしょうか?

 コンビニなどでも、店内に厨房のある店舗では置かれていることがあり、私が治療院を辞めて、一時アルバイトをしていたコンビニには、これがありました。

 これは『紫外線殺菌灯』と呼ばれるもので、紫外線の物体の表面部分や空気中の微生物に対して、そのDNA転写や複写を阻害して死滅させる効果があるため、使用されています。

 なおこの方法は、芽胞にも効果を持ちます。

 

 『放射線殺菌法』

 放射性同位元素の一種である、γ線やX線を利用した消毒法で、主に医療用に用いられているものは『コバルト60』です。

 透過する力が強いので、ゴムやプラスチックのほか、ディスポーザブル製品のような使い捨ての製品などの包装物内部の滅菌にも利用されます。

 これも芽胞に効果を持つ方法です。

 

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音波

 『高周波殺菌法』

 2400〜2500MHzの高周波を直接照射することで発生する熱によって微生物を死滅させる方法です。

 これは主に、水や微生物検査のための培地や試液など、この消毒法に耐えられるものの殺菌に使用されます。

 

濾過

 『濾過滅菌法』

 微生物よりも小さい孔径の濾過フィルターによって菌を除去する方法で、ウイルス用のフィルターは0.025〜0.1 μm、細菌用は0.45 μm程度のものが使用されます。

 抵抗力の低下した患者を収容するための無菌室などで、空調施設の換気のためのフィルターに使用されています。

 

化学的な消毒法

 化学的な消毒法とは、化学薬剤を菌体成分と反応させて、非特異的に細菌を死滅または変性させることで、滅菌・消毒することを言います。

 この化学薬剤の中で、消毒剤として望ましい条件というものがあり、それは次の通りです。

  1. 広範囲の微生物に対して殺菌力を持つこと
  2. 血液や体液など有機物の存在下でも、殺菌効果が衰えないこと
  3. 効力が持続すること
  4. 人に対して無害であるか、少なくとも毒性や発がん性、催奇形性(妊娠時の胎児の奇形の誘発)がないこと
  5. 使用方法が容易で、水やアルコールに溶解しやすいこと
  6. 容易に安く手に入ること
  7. 廃液が環境を汚染しないこと

 これらの条件を全て満たせる消毒剤は少ないため、その用途によって消毒剤は使い分けられています。

 化学的方法では、薬剤を液体で用いる方法と、気体で用いる方法に大きく分かれます。

 

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化学的な消毒法で使われる薬剤

 ここからは各種の化学的消毒法で使用される薬剤について解説していきます。

フェノール類

 菌体タンパク質を凝固・変性させて細胞膜の機能低下や破壊などを引き起こして最近を死滅させる薬剤です。

 『石炭酸』

 これは医学史上で最初に用いられた消毒剤ですが、人体への刺激が強いため、今はあまり使われていません。

 使用の際は、医療器具類に5%の濃度で2時間暴露し、他にも患者の喀痰や排泄物などに対して3〜5%の濃度で使用できます。

 また石炭酸は、今でも消毒剤の効力を示す指標として、これを基準とした『石炭酸係数』が用いられています。

 一般細菌のほか、結核菌や真菌に効果がありますが、芽胞やウイルスには効果がありません。

 

 『クレゾール石鹸液』

 これは石鹸ですが水に溶けにくい性質のため、石鹸水に50%の割合で溶かしたクレゾール石鹸水として、用途に応じて適当な濃度に薄めて使用します。

 しかし、時間経過で消毒力が低下していくため、少なくとも1日に1回は交換する必要があり、さらに特有の刺激臭と皮膚への刺激性があるため、今は使われなくなってきました。

 使用の際は、皮膚や手指に対しては1%、医療器具類には2%、患者の喀痰や排泄物などには3%の濃度で使用します。

 なお、原液が皮膚についてしまうと、組織の壊死をきたす恐れがあるので、取り扱いは慎重にする必要がある他、廃棄に関しても水道法に則り、都道府県でフェノール類の排出規制を強化しているところもあるので注意が必要です。

 ちなみに効果のある対象は石炭酸と同じです。

 

逆性石鹸(陽性石鹸)

 逆性石鹸と聞いても、それって普通の石鹸と何が違うの?と思われると思います。

 普通の石鹸は、水に溶けた時に陰イオンが出ることによる洗浄作用が効果の主体なのに対し、陽性石鹸とも言われるこの石鹸は、陽イオンによって菌体の細胞膜の損傷及び酵素タンパク質の凝固変性による殺菌効果を期待するものです。

 つまり逆性石鹸は、石鹸から発生する作用で菌を直接倒してしまうと考えればわかりやすいかと。

 市販されているものでは、塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムがあり、いずれも10%溶液となっています。

 

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 無味無臭で、刺激性や誤って飲み込んでしまった場合の毒性も少なく、さらにフェノール類よりも遥かに強力な殺菌力を持ちます。

 また薬局以外でも国内で市販されているものでは『キレイキレイ』や『ミューズ』があり、これらも殺菌効果が含まれているため逆性石鹸に相当します。

 ただし逆性石鹸は、普通の石鹸と混ざってしまうと化学反応を起こして効果が低下するほか、有機物が存在する中でも効果が低下するというデメリットがあります。

 そのため、患者の喀痰や排泄物などの消毒には使用できません。

 一般細菌や真菌、痘そうウイルスには効果がありますが、芽胞には効果がなく、また、緑膿菌に対しての殺菌効果は弱いとされています。

緑膿菌→水まわりなどに存在する常在菌。普通は人体に感染はしないが、抵抗力が下がると日和見感染を引き起こす

 

アルコール類

 おそらく今、世界的に見て最も売上の伸びている消毒剤ではないでしょうか。

 アルコール類は、細菌のタンパク質変性や脂質の溶解、代謝機構を阻害することで殺菌作用を呈します。

 主に用いられるのはエタノールとイソプロパノールですが、エタノールは原液だと脱水作用が強すぎて殺菌効果を低下させてしまうため、最も殺菌力の強い70〜80%の濃度のものに調整されて市販されています。

 毒性はほとんどないため、注射や手術時の皮膚消毒によく用いられます。

 イソプロパノールはエタノールよりも強力ですが、皮膚や目に対しての刺激性がかなり強いうえ、吸入毒性もあるため使用には注意が必要です。30〜50%の濃度で使用します。

 一般細菌、結核菌、ウイルス、一部の真菌に効果を発揮し、芽胞には効果を持ちません。

 なお、手を洗った後にアルコール消毒剤を使用するときは必ず、手の水分をよく拭き取ってから使用するようにしてください。そうしないと濃度が下がって殺菌力が低下してしまいます。

 

塩素系消毒剤

 塩素系消毒剤は、微生物の持つ有機化合物と、水に対する塩素の化学反応によって生じる酸素の強力な酸化作用で細菌を死滅させます。

 これには塩素ガスやさらし粉、次亜塩素酸ナトリウム、クロルヘキシジンなどがあります。

 塩素ガスは主に水道水の消毒に使用されますが、強い刺激性と金属の腐食性があるため、他の用途には用いられません。

また、さらし粉も同様の作用を持つため、井戸水やプールの水の消毒に用いられています。

 次亜塩素酸ナトリウムは一般細菌やノロウイルスのほか、芽胞やB型肝炎ウイルスにも有効なので広い用途で使用されますが、結核菌には効果がありません。また、大量の有機物が存在すると効果が低下してしまいます。

 なお家庭でも、塩素系消毒剤として、キッチンハイターや塩素系のトイレの洗剤が代用品として使用できます。

 

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ビグアナイド系消毒剤

 塩素系の中でも、先ほどのクロルヘキシジンはこちらに分類され、ヒビテンやヒビスクラブの名称で市販されています。

 手指や皮膚消毒、器具の洗浄、病室内洗浄に利用されますが、過敏症を呈する人もいるので注意が必要です。

また、普通石鹸と併用すると効果が低下します。

 一般細菌や一部の真菌には有効ですが、芽胞や結核菌、ウイルスには効果がありません。

 

ヨウ素系消毒剤

 ヨウ素系消毒剤の市販品で有名なものといえば、あのうがい薬。

 『イソジン』という名称で市販されているこのうがい薬は、成分にポピドンヨードが含まれています。

 ヨウ素の殺菌作用は塩素系よりも強く、これを利用した消毒剤には、ポピドンヨードの他にヨードチンキがあります。

ヨードチンキは古くから、手術野の皮膚や創面の消毒に用いられています。

また、ヨードチンキは独特の色をしていますが、仮に衣服に付いても水で洗い流せるため、洗濯すれば大丈夫です。

ヨウ素系消毒剤は消毒効果が広く、皮膚や粘膜への刺激も少ないことから、幅広く使用されていますが、金属へは腐食性があるため使用できません。

 一般細菌、真菌などに効果を持ちますが、B型肝炎ウイルスには効果を持ちません。

 

重金属類

 水銀や銀、銅などの重金属を用いた消毒剤で、イオンの状態によって強い殺菌力を示します。

 が、これらは人体に対して毒性が強く、環境汚染の問題もあることから、今日では使用されなくなりました。

 しかし最近では、銀の殺菌作用を使った『AG +』などのスプレー商品がドラッグストアなどで販売されていますね。

 

アルデヒド系消毒剤

 アルデヒドのアルキル化活性によって菌体タンパク質の変性を起こして殺菌する消毒剤で、ホルムアルデヒドやグルタルアルデヒドなどがあります。

 ホルムアルデヒドはガス状でも液状でも使用され、この飽和溶液(37%)が『局方ホルマリン』として販売されていて、さらにこれを消毒用として1%溶液に調整したものが『局方ホルマリン水』です。

ホルマリン、と聞けばピンと来た方もいると思います。

・・・時に、ホルマリンには独特の香りがあります。

札医大での解剖見学実習の際、実習部屋に入る前に、1つ注意を促されました。

ご検体はホルマリン漬けで保存されているため、その匂いで気分の悪くなる人が中にはいるそうです。

昔と違って換気がしっかりとされるようになったため、そういったことも減ったと聞きましたが、それでも中には気分が悪くなる人がいるとのことでした。

もしそうなったら無理をせずに周りの人に伝えて欲しいと言われ、入室。

部屋に入ると、確かになんとも言い難い独特の匂いがしましたが、私を含め、クラスメイトには気分が悪くなった人はいませんでした。

では、話を戻します。

 この消毒剤を使用するときは、広い部屋の場合には噴霧して消毒する方法が用いられ、器具消毒には液中に2時間以上つける方法が用いられます。

 グルタルアルデヒドは大部分の微生物に有効であるため、高圧滅菌できない手術器具やカテーテル、内視鏡などの消毒に用いられます。

 しかし皮膚や粘膜の障害を起こすため、人体への消毒には適していません。

 なおアルデヒド系は、B型肝炎ウイルスを含む大抵の生物が死滅するため、消毒というよりも滅菌と呼ぶ方がいいかもしれません。

 

酸化剤

 酸化剤による殺菌は、活性酸素を利用したもので、3%過酸化水素水、いわゆる『オキシドール』が創傷面の消毒に広く用いられています。

 ただ、光線や空気、振動などで化学変化を起こして効果が低下するため、保存の際はそれらに気をつける必要があります。

 一般細菌や一部ウイルスには効果がありますが、結核菌へは微妙なところで、芽胞や真菌には効果がありません。

 

ガス滅菌

 化学薬剤をガス状にして反応させることで、ほぼ全ての微生物を死滅させる方法。

 代表的なものにはEOG(エチレンオキサイドガス)滅菌や、ホルマリンガス滅菌があります。

 EOG滅菌は加熱によって滅菌のできないゴム製品やプラスチック製品、ディスポーザブル製品の滅菌に使用されています。

 ただし、使用するガスは発がん性が報告されているため、労働安全衛生法による環境管理と健康管理が必要となります。

 

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消毒剤使用時の注意事項

 最後に消毒剤を使用する上で注意して欲しいことについて説明します。

使用濃度

 消毒剤は使用目的によって適切な濃度が異なります。

 濃度の高さが効果の高さに比例する訳ではなく、必要以上に濃度が高ければコストパフォーマンスも悪くなり、人体に対しても悪影響を及ぼします。

 希釈して販売されている商品もあるので、使用の際は説明書をよく確認しましょう。

 原液を買って希釈するのであれば、水道水や硬度の高い水は向きません。なぜなら、これらに含まれる無機成分と反応することで、効果が薄れたり器具に結晶が付着してしまうためです。

ですので希釈する場合は、精製水や活性炭、イオン交換などの処理がされた水を使用するのが望ましいです。

 

使用温度

 消毒剤の多くは、低温では効果が低下します。

 この理由は消毒剤の試験は通常、20℃で行われているためです。

 ですので使用の際は、なるべく20℃以上に加温するようにしましょう。

 

手指消毒

 洗面器などに消毒剤を入れておいて、そこへ手を入れて消毒するという方法を取る方もいるかもしれません。これは私が子供の頃、叔母がそうしていました。

 ですがこれは揮発や繰り返しの使用、酸素との反応などで消毒効果が無くなったり液内で菌が増殖する場合があるため望ましくはありません。一定の量が出るポンプ式のボトルやスプレーなどに入れて使うのが良いとされています。

 また、水分の拭き取りにはタオルの繰り返しの使用よりも、使い捨てのペーパータオルを使う方が良いです。

この理由はタオルだと水分を含んでしまい、そこから雑菌が繁殖してしまうためです。

 

消毒剤の管理

 消毒剤は一種の毒物であるため、薬瓶などの安全管理には十分注意する必要があります。

 消毒剤によって、遮光・密閉・冷所保存など、異なる条件がある場合もあります。

 また、保存している消毒剤に抵抗性のある細菌によって汚染されることもあるため、注意しましょう。

 廃棄する場合も、定められた廃棄方法を守って廃棄してください。

 

最後に

 今回のお話はここまでとさせていただきます。

 消毒に関する様々なことをお話ししました。きちんと使い方を守って使用すれば、感染予防の大きな助けとなってくれるでしょう。

 それではまた次回、お会いしましょう!

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