感染源 感染経路別の感染症対策と身体の免疫機能の種類を解説

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 今回は感染源や感染経路別の感染症対策方法のお話と、身体の免疫機能についてお話しします。なお途中、肝炎についてのお話もありますので、そちらについて知りたい方もどうぞ。

感染症予防の原則

 まずは感染源についてのお話です。

感染源の対策をしよう

 感染源という言葉、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、どのような意味の言葉か考えたことがあるでしょうか?

 感染源とは、そこに病原体が感染巣を持っていて、ほかに感染させる能力を持っているもののことを言います。

 ヒトの場合には、感染症にかかっている人物が該当します。

 これは患者の体内に病原体が感染巣を持って、患者の咳などでそれをほかに移すためで、強力な感染源になります。

 ただ、感染症ごとに病原体を排出する期間というものは異なっているため、感染を可能とする期間も異なります。

 例えば、小学生など学童に感染する『学校感染症』

 これは文字通り、学校での感染であるため、対象となる学童に一定期間の出席停止期間を定めて、感染源となることを防ぐ対策が取られています。

 また、感染していても自覚症状がないために外出して、気付かずに病原体を排出して感染させてしまう『保菌者(キャリアー)』という感染源もあります。

 これは昨今の新型コロナでは、マスクをして外出しましょうと呼びかけている理由の1つでもあります。

 もしも自分が感染していて感染源となっていることに気付かず、ウイルスを他人に感染させてしまったとしたら・・・嫌ですよね?

 他に保菌者が多くいることで知られ問題とされていて、注意しなくてはならないのは、A・B・C型肝炎とHIVです。

 

A型肝炎・B型肝炎・C型肝炎の違いって?

 と、ここでせっかく肝炎という病名が出てきたので少々話題を変えまして、肝炎についてもお話をさせていただきます。

 この病気は有名ですので、聞いたことのある方がほとんどだと思いますが、具体的に何が違っているのかについては、ご存知ですか?

肝炎ウイルスに感染したとき、体内では何が起きている?

 肝炎についてのお話を始める前にまず、肝炎ウイルスに感染するとどうなるのかについてお話しします。

 体内に侵入したウイルスは、直接肝細胞を攻撃せずに潜伏します。

 この状態で免疫に見つからずに過ごしている時が、いわゆる保菌者の状態です。

 

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急性肝炎と慢性肝炎はどう違う?

 次に急性と慢性の肝炎の違いについてです。

 まず、先ほど肝炎ウイルスは肝細胞内に潜伏すると話しました。

 その潜伏しているウイルスを免疫が見つけると、感染している細胞ごと、残らず攻撃して破壊します。

 この攻撃によって炎症が起きるために急激に発症してしまうのが、急性肝炎

 一方で、免疫が、感染している肝細胞の一部しか認識しない時もあります。

 当然この場合は、認識した細胞しか攻撃しないため、一定数のウイルスも生き残っています。

 このため繰り返し肝細胞が攻撃され、徐々に肝細胞が破壊されていく慢性肝炎となり、肝臓が機能を失って繊維化することで、最終的に肝硬変などに移行していきます。

 これを簡単な流れにすると、次のようになります。なお、慢性の場合はこの繰り返しです。

肝細胞のウイルス感染→免疫がウイルスを認識→肝細胞ごと攻撃→ウイルス+肝細胞の死

 

結局、肝炎ウイルスの型の違いって何なの?

 急性と慢性の肝炎の違いについては理解していただけたと思います。

 では、肝炎のウイルスの型が何故分かれているのかについてお話ししましょう。

 肝炎ウイルスは、感染した際に急性と慢性のどちらを発症するかということや、ウイルスごとに感染経路が異なるために5種類もの種類に分けられています。

 急性は主にA型やB型、慢性は主にC型やB型の感染によるもので起こります。

 感染経路も、経口や血液、母子の垂直感染など、型によって様々な違いがあります。

 また、D型とE型の肝炎もありますが、日本ではABCの3種によるものがほとんどのため、お話もこれに限ってさせていただきます。

 ちなみにE型はイノシシなどの獣肉から経口感染して、集団感染を起こすこともあります。

  

A型肝炎

 A型肝炎(A肝)は伝染性肝炎とも呼ばれ、生の牡蠣を食べたり、小動物などの糞便で汚染された飲食物の摂取で感染します。

 A肝は症状の出ない不顕性感染者が多く、一部で2〜5週間の潜伏の後に発症し、数ヶ月から長いと1年も保菌を続け、感染者の糞便にA肝ウイルスを排泄します。

 ただし感染できる期間は、発病時の前後に限られることが多いとされています。

 A型肝炎に感染した際に起こる肝炎の多くは『急性肝炎』で、急激な肝細胞の障害を起こし、全身倦怠感や発熱、食欲不振や嘔吐をきたします。

 予後は一般的に良好ですが、B型肝炎ウイルスの場合だと慢性化する場合もあり、時には劇症肝炎を起こして死に至ることもあります。

劇症肝炎→急性肝炎の症状をさらに激しくしたようなもので、B肝ウイルスによるものが約9割。広範に渡って肝細胞が急激に死滅し、肝機能の低下が起こる。出血・浮腫・腹水・昏睡や特有の口臭・振戦などの肝性脳症を起こし、多くは予後不良で死に至る

 

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B型肝炎

 B型肝炎(B肝)は血清肝炎とも呼ばれ、その感染源は、ほぼ一生ウイルスを保持し続ける健康保菌者(キャリアー)であると言われます。

 日本の保菌者数は120〜140万人で、保菌者との性交のほか、血液や体液などの侵入によって感染します。

 鍼灸の場合は、感染者に使用した鍼が誤って刺さることで感染します。

 このほか、妊産婦が保菌者だと、分娩時に産道を介して感染する『垂直感染』が起こり、新生児が保菌者となって成人してからB型肝炎を発症、肝硬変や肝がんになることがあります。

 この対策に日本では母子保健事業で新生児に対してワクチンを投与するなどして、感染防止の仕組みを作り上げています。

 

C型肝炎

 C型もB型と同様に血清肝炎と呼ばれ、ウイルスに感染した血液から感染します。

 このウイルスに感染するとB型肝炎と同様に慢性肝炎を起こしますが、その割合もB型に比べて大きく、約8割がC型肝炎によるものとされています。

 また、C型はウイルスのタイプも分かれていて、大きく1と2に分かれ、さらにそのうちの分類として『1a』『1b』『2a』『2b』があります。

 日本で多いのは『1b』で、1は2に比べてウイルスの量が多いため、治りにくい場合が多いと言われています。

 感染予防ですが、C型はA型・B型と違ってワクチンがないため、感染を防ぐには感染者の血液に触れないよう、注意するしかないのが現状です。

 C型やB型ウイルスが引き起こす慢性肝炎は、肝臓の炎症の持続が半年以上続くと診断され、潜在性に起こっていたものと、急性肝炎からの移行型のものに分かれます。

 特有の自覚症状はなく、だるさがあるくらいで、肝硬変に移行することで症状が出始めます。

 B型肝炎では病気の経過は様々で、急速に肝硬変や肝がんに至る場合や、肝炎が非活動性となって一生を終える場合があります。

 C型の場合には、一般的に15〜20年でゆっくりと確実に肝硬変に至り、さらに10年以上をかけて肝がんへと進行するため治療は困難とされますが、基本的に慢性肝炎を発病すると、予後は不良です。

 

肝硬変

 慢性肝炎の終末像で、不可逆的な変性(偽小葉の形成)を起こして肝臓が繊維化。

 無症状のまま経過する代償期と、限界を超えて症状が出る非代償期がある。

 症状は、肝機能障害として、くも状血管腫や手掌紅斑、女性化乳房、肝性脳症や浮腫・腹水、出血や黄疸がみられる。

 このほか、肝臓に通じる血管の門脈が流れなくなることで、その他の血管に圧がかかり、食道静脈瘤や脾腫のほか、腹壁静脈の怒張(メデューサの頭)などといった特有の所見を認める

 

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それでは話を戻しましょう

 感染予防のために1999年に制定されたのが、『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』いわゆる『感染症法』です。

 これは未感染者と感染者を遮断するという意図で、日本で従来から施行されていた『伝染症予防法』を見直したもので、この法律に基づき感染症は1類から5類に分類されています。

 中でも世界各地から持ち込まれる可能性のある感染症について、海や空港で、感染源であるヒトの検疫を行うための法律が『検疫法』と呼ばれるもので、日本では77ヶ所の検疫港と28ヶ所の検疫空港が設けられています。

 検疫法で『検疫感染症』に指定されているのは、ペスト、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱、マラリア、デング熱、痘そう、鳥インフルエンザの10種で、これらに罹患している者の入国は『出入国管理令』によって拒否できることとなっています。

 ちなみに検疫感染症で指定されている10種の疾患は、感染症法の1類+3種の感染症で構成されています。

 感染症法の1類感染症に指定される疾患というのは、その感染力や万が一罹患した場合、総合的な観点からみて危険性と重篤性が極めて高いものとなっています。

 そのため、もしも感染したり、感染者が出たと報じられた場合には、原則入院・消毒などの対物措置や、場合によっては建物の出入りや通行制限などの措置も取られます

 上記で1類感染症に含まれないのは、マラリア、デング熱、鳥インフルエンザ

 マラリアとデング熱は4類、鳥インフルエンザは、中国から始まった強毒性の『H5N1型』は2類、そうでないものは4類です。

 

※鍼灸含む現役の医療系学生さん向け

1類、2類、3類感染症の覚え方

1類と2類は特に大事なので、確実に暗記しておきましょう。

・1類

『南米マラソン、ペット食え』

(『南米』出血熱→『マ』ールブルグ熱→『ラ』ッサ熱→『ペ』スト→『『と』う』そう→『ク』リミア・コンゴ熱→『エ』ボラ出血熱 の順)

・2類

急性灰白精髄炎・結核・ジフテリア・重症呼吸器症候群(SARS)・鳥インフルエンザ(H5N1)

『時差ボケした鳥』

(『ジ』フテリア→SARS(『サ』ーズ)→急性灰白髄炎(『ポ』リオ)→『け』っ核→『鳥』インフルエンザ の順)

・3類

コレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症・腸チフス・パラチフス

『パチンコ超サイテー』

(『パ』ラチフス→腸『チ』フス→『コ』レラ→『腸(超)』管出血性大腸菌感染症→『細(サイ)』菌性赤痢)

 

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感染経路の対策と予防をしよう

 感染を予防するためには、病原体がヒトへ届くのを防ぐことも重要となります。

 感染症ごとにある程度決まった感染経路があるので、その特徴を知って予防対策に繋げましょう。

直接感染

 直接感染は文字通り、直接感染源に接触することで感染する場合のことを言います。

 これには狂犬病など、病原体を持った獣などから感染したり、破傷風など土壌からの病原体が皮膚から侵入して起こる場合があります。

 また、梅毒や風疹などは妊娠中の母胎から直接、感染などの影響を胎児に与えます。

 

間接感染

 これは何かを媒介として感染する場合のことを言い、いくつかの種類に分かれています。

飛沫感染と塵埃感染

 上気道の粘膜や粘液に存在する病原体が会話や咳、くしゃみなどで空気中に飛び散り、それを他の人が吸入することで感染するのを飛沫感染と言い、1度の咳やくしゃみで、数十〜数十万個の飛沫が飛ぶと言われています。

 大きな粒子はすぐに落下しますが、小さなものは長時間浮遊し続け、さらにその飛沫から水分が無くなって軽くなると飛沫核という状態になってより一層、長時間浮遊を続けます。

 塵埃感染は、落下した飛沫や布団、衣服に付着した飛沫が再び空気中に舞い上がり、いわゆる『ほこり』や『ハウスダスト』などになるもののことを言います。

 病原体を持つ患者からの飛沫や塵埃は、当然ながら病原体を多量に含みます。

 中でも、インフルエンザ、ジフテリア、結核、発疹チフス、発疹熱などの病原体は乾燥に強いため、高い確率で感染を起こします。

 また、この2つの感染を総称して『空気感染』とも呼びます。

 空気感染の予防には加湿器などで部屋の湿度を保つことが重要で、50〜60%が良いと言われています。

 

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介達感染

 これは媒介するものが空気ではなく、食器や血液、衣服、手指、医療器具などを介してのものを言います。

 食器や衣服は清潔に保つこと、手洗いの励行、他人の血液の付着したものには素手で触れないなどを心がけることで予防が期待できます。

 

水による感染

 病原体に汚染された河川水や井戸水、水道水を飲むことで感染が起こる場合を言い、これによってその水を利用している集団に爆発的な感染が起こることがあります。

 これを『水系流行』と言い、腸チフスやパラチフス、赤痢、コレラ、アメーバ赤痢、ポリオ、A肝などがあります。

 日本でも、特に北海道では、川の水を飲んではいけないと言われます。

 これは、北海道の川には『エキノコックス』という、キツネを媒介とした寄生虫がいるためです。

 また、海外で飲み物を飲むときは、信頼できる場所以外では、きちんと蓋に封をされて販売されているペットボトル入りの水や飲料を飲むことが望ましいです。

 もし海外で水道水を飲む場合には、最低でも1分間はしっかり沸騰させることで、感染のリスクを下げることができます。

 それが困難な場合には、飲料水用の消毒剤を予め用意しておいた方が無難です。

 また、現地ですでに作られている氷は生水が使われている可能性があるため使用を避け、出来るだけ自分で作るようにしましょう。

 歯磨きやうがいなども、これらの水を使うようにします。

 

食物による感染

 病原体に汚染された食物を食べて起こる場合の感染を言います。

 これには患者または保菌者の手指やハエなどによって食物が汚染されて起こるものと、ヒトの咽頭や皮膚の化膿創、手指、ネズミの糞尿などで汚染された食物から起こるものとがあります。

 前者は腸チフスやパラチフス、A肝など、後者はブドウ球菌やボツリヌス、サルモネラなどで起こります。

 食中毒の予防の第一は、正しい手洗いをすることです。

 手を洗うときは指や手のひら、手の甲だけでなく、手首や、爪の間はブラシで洗うことで病原菌や汚れを可能な限り落とすことができます。

 また海外に行く場合には、完全に火の通った食べ物を食べることや、サラダなどの生野菜を避けることが予防に繋がります。

 

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昆虫による感染

 ハエやゴキブリなどが病原体を付着させて運ぶ場合を言い、腸チフスやパラチフス、サルモネラ、赤痢、コレラ、ポリオなどがこの感染を起こします。

 さらに、マラリアや日本脳炎などのように、蚊が病原体を体内に持っていて、人から人へ運ぶ場合もあります。

 蚊は、1年で最も人を殺す生き物と言われ、媒介する病気は、そのほとんどがワクチンや治療法が存在していません。

 そのため、最も重要な予防法は刺されないことですが、その対策も間違っていては意味がありませんので、次からその方法を紹介していきます。

・服装

 長袖のシャツとズボン。衣服と皮膚との間に空間を作るため、出来るだけゆったりとしたものが良い

・虫除けスプレーなどの使用

 『DEET(ディート)』または『イカリジン』という成分が入ったものを使う。

DEET→日本で最初に承認された虫除け成分。蚊などの吸血害虫が吸血に使うセンサーをごまかし、吸血できないようにする。世界的に使われている成分でもある

 日本ではDEET30%が最も濃度が高く、効果時間も5〜8時間と長い。濃度が高い方が持続時間が伸びるため、日本ではDEET30%のものを使用すると良い。

 ただし、濃度が強いとアレルギー反応を起こすこともあるため、その点は注意する

 また、日焼け止めを使用するときは、日焼け止めを塗ってから虫除けスプレーを塗るようにする。

 

免疫とその種類

 ここからは免疫について話していきます。

 例えば学校でインフルエンザが流行したとします。

 ですが同じクラスにいたとしても、感染する人としない人がいたり、感染しても発症しない人がいたり、発症しても重い人と軽い人がいます。

 このように分かれてしまう理由は、人間側での個々の条件が違っているためです。

 この条件のうちで最も知られているもの。それが免疫で、これには先天免疫と後天免疫があります。

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先天免疫

 先天免疫は、人が生まれながらにして持っている免疫または先天抵抗力を言います。

 簡単に言ってしまえば、白血球などの免疫細胞や個人の体力でしょう。

 

後天免疫

 後天免疫は、感染後に病原体を記憶して作られる能動免疫と受動免疫に分けられます。

能動免疫

 能動免疫は、病原体の感染やワクチンの接種によって個体が自分の力で獲得した免疫のことを言います。

 免疫を作る際に病原体の情報を記憶するので、再度侵入してきた際にそれを識別することができ、すぐに抗体を作り出せる機構を備えています。

 また、能動免疫は病原体の情報を自ら記憶していることから、1度感染すると2度とかからないものが多いことも特徴の1つです。

 

受動免疫

 受動免疫は能動免疫とは反対で、自分の力で獲得はせず、胎盤や母乳から免疫をもらうものや、血清のような速効的な免疫作用を期待して抗体を直接注射し、免疫を得させるもののことを言います。

 例えばジフテリアや破傷風の抗毒素血清、A肝やB肝の予防のため、血清から作られたガンマグロブリン製剤の注射があり、素早く大量の抗体を体内に準備することで感染症予防や治療に役立たせています。

 ただし受動免疫の場合は、あくまでも付け焼き刃の手法のため、即効性はあっても免疫力の持続は期待できません

 

免疫作用

 血液や鼻水などの体液には多くのタンパク質が含まれています。

 その一種に、ガンマグロブリンという免疫作用を持つものがあり、抗体または免疫グロブリンと呼ばれ、これは白血球の一種である、Bリンパ球によって作られる場合が多いです。

 侵入した病原体に対し、抗体は病原体に作用して弱めたり、白血球の貪食作用を助けたりしています。

 こうして抗体は感染と発症を防ぎ、感染しても感染症の治癒を促進するために働いています。

 また、抗体による免疫作用に『抗原抗体反応』というものがあり、これは鍵と鍵穴の関係にあります。

 どういうことかというと、抗体は特定のウイルスや病原体のみに反応するようにできているのです。

 ですが、これは抗原抗体反応に限った話で、対象を限定しない生体防御の機構もあります。

 涙や唾液、胃液には殺菌作用があり、粘膜の線毛運動は粘液とともに付着した病原体を外へ運びます。

 他にも気管支には白血球などが遊走してきていて、病原体を捕らえて消化しています。

なお、この働きのことを貪食作用と言います

 

 免疫機能に対する天敵とも言える存在は、HIVでしょう。

 HIVは、これら免疫に関わる重要な細胞の司令塔のような役割を持つヘルパーT細胞を破壊して、身体の抵抗力を落としていきます。

 

予防接種

 人工的に生体に抗原を投与することで感染を防ぐことで、ワクチン接種というとすぐに理解できるでしょう。

 ワクチンを投与することで、対応した抗体を体内に作り出します。

 ワクチンには種類があり、毒性を弱めた病原体を利用する『生ワクチン』、病原体を死滅させてその菌の抗原を利用する『不活化(死菌)ワクチン』、病原体の産生する毒素を弱めた『トキソイドワクチン』があります。

 生ワクチンは結核やポリオ、麻疹、風疹で、不活化ワクチンはB肝や日本脳炎、百日咳、チフスで、トキソイドは破傷風やジフテリアといった感染症で使用されます。

 

最後に

 以上で感染症の予防とやり方、免疫の話は終了させていただきます。

 肝炎を予想以上にしっかりめに書いてしまったので、オマケが本編みたいになってしまいましたが・・・笑

 

 そうそう。

 

 生体の持つ免疫について、もう少し踏み込んで知りたいのであれば、『はたらく細胞』というアニメがオススメです。

 2期の放送と同時に『はたらく細胞BLACK』のアニメ化も2021年冬より決定しているこちらの作品。

 お子様のいる方は、お子様と一緒に見ても楽しめるアニメです。

 自分の身体の中で何が起こっているのか、勉強にもなって一石二鳥だと思いますよ。

 ただ、白血球が病原体を倒すという演出上、血が吹き出るなど、やや暴力的に見えるシーンがありますので、そういうのを気にされる場合はお子様との視聴は避けてください。それでなくてもBLACKの方は過激なようなので、お子様との視聴は控えた方が良いと思います。

 通常のはたらく細胞の方であれば、基本的にとてもコミカルで楽しい作品なので、それほど気にならないと思います。

 それではまた次回、お会いしましょう!

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