相生 相克 相乗 相侮とは何なのか?それぞれの関係性を解説!

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 今回は五行学説の基礎とも言える、相生・相克・相乗・相侮とは何かということと、その関係性について解説します。

五行学説の概要

 五行学説は主として、五行の相生・相克によって物事の相互関係を示します。

 『相生』→相互生産のこと

 『相克』→相互制約や相互制御のこと

 この2つの法則は自然界全ての物事の運動変化における正常な法則となっていて、物事の間にはこの法則が必ず存在し、これによって自然界の生態バランスと人体の生理的バランスは保たれています。

 

相生って?

 『我を生じたもの(生我)』は自分の『母』であり、『我が生じたもの(我生)』は自分の『子』であるという考え方のことを言います。

例としては、『木』を生み出すことのできる『水』が木の『母』であり、『木』が生み出すことのできる『火』が木の『子』であるということです。

水が無ければ木は成長できないし、木のような燃えるものがなければ、火は起こせませんよね?

そう考えるとわかりやすいのではないかと思います。

ちなみに『水』については『金』から生み出されますが、私は金属は結露を起こすことがあるので、そこから滴って生み出されるものと連想しています。

東洋医学ではこんな風に、自分なりにイメージすることも大事と私は思っています。

ちなみに私が最初に東洋医学の陰陽五行に対して持ったイメージは『中二病感すげぇ・・・笑 でもこういうの大好き』でした。

また、相生のような関係を『母子関係』と言うこともあります。

五行相生の順番は『木生火』『火生土』『土生金』『金生水』『水生木』です。

 

相克って?

 『我が克すもの(我克)』は自分が勝てるものであり、『我を克するもの(克我)』は自分が勝てないものであると言う考え方。

例としては、『木』は『土』に勝てますが『金』には勝てないと言う関係性があります。

木は土から栄養を吸収するので、その気になれば大地を枯らし、他の作物などを実らせないことも可能。

これはアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』を観たことのある方であれば、ルーリッド村の大木『ギガスシダー』から連想することができます。

でもそんな巨木であっても、チェーンソーや斧など、刃物が相手ではいつかは伐採されてしまうと考えるとわかりやすいと思います。

実際、ギガスシダーも最後には剣で切り倒されてしまいますしね。

五行相克の順番は『木克土』『土克水』『水克火』『火克金』『金克木』です。

 

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相生・相克の相互関係

 仮に相生だけが存在して相克が無ければ亢進を招き、正常な協調関係のもとでの変化と発展をすることができなくなります。

『木』が『土』を制することができるので、そこで初めて『火』が生まれることができ、同様に『火』が『金』を制することで初めて『土』が生まれることができます。

このように母が制しているものに対して勝ることで『子』は『母』からの養育を受けて成長し、生まれることができると言うわけです。

相生・相克は物事の作用の異なった2つの方向であり、『生』が無ければ発生と成長ができず、『克』が無ければ正常な協調作用ができなくなります。このことから生と克は相互に対立・依存しあう統一体であると言えます。

参考:相生と相克の五行相関図

相生のイメージの一例

『木生火』→木が燃えることで火が生まれる

『火生土』→燃えた後の灰などが積もって土になる

『土生金』→金属は土の中で生まれることが多い

『金生水』→結露などによる水の滴り

『水生木』→水が気を育てる

 

相克のイメージの一例

『木克土』→木は土から養分を吸い取る

『火克金』→高温になると金属は溶ける

『土克水』→土は水を吸収する

『金克木』→刃物であれば樹木を伐採できる

『水克火』→水は火を消す

 

相乗・相侮って?

 五行の相克関係の中で現れる異常な現象のことで、五行の中の一行に強すぎたり弱すぎたりする現象が起こると五行全体のバランスが崩れてしまい、これらの現象が出現します。

 

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『相乗』

 乗とは、虚(弱ったところ)に乗じて侵襲する(襲いかかる)という意味で、制約しすぎる現象のことを言い、これには次の2つがあります。

 

1.ある『一行』が強すぎて、克される側が克されすぎて弱められてしまう

 例としては『木乗土』があり、木が強すぎるために土を克しすぎ、土の生成が不足する状態です。

 これはまさしく、先ほど説明に出したキガスシダーが起こしたような状態です。

 木が大きすぎて、土から栄養を根こそぎ奪っていくようなものと考えてください。

 

2.ある『一行』自身が弱く、自分を抑えてくれる側が相対的に強調されてしまう

 例としては『土虚木乗』があり、土自身が弱いために『木克土』の力が相対的に強くなってしまい、さらに土が弱められてしまう状態です。

これは次のような話で考えるとわかりやすいです。

あるサラリーマンの男は元々、胃腸が強くありませんでした。

毎日毎日、会社で上からは睨まれ、下からは呆れられています。

さらに陰口にも会い、ついにストレスで胃が痛み出しました。

ストレスは『怒り』や『イライラ』なので、属性は『木』。

胃は五行では『土』の属性です。元々、この男は胃腸が弱かった。つまり、『土』が弱い。

だから『木』の属性を持つストレスで、『土』の属性の胃がさらに弱められ、胃痛が出たということです。

 

『相侮』

 『侮』とは侮ることで、相克の反対の流れである『反克』が起きてしまう現象のことを言い、次の2つがあります。

 

1.『我克』における関係の場合→我が勝てるものが逆に勢いを増してしまう。

 例としては『木侮金』があり、木は本来、金に克されるが、木が強すぎると金の克制を受けないばかりか、逆に金を侮ってしまいます。

これもギガスシダーで例えてしまうんですが・・・。

主人公キリトの親友で相棒になるきこりの青年ユージオが最初に使っていた斧では、先祖代々から数えて300年が経っても切り倒せていませんでした。

木の属性が強すぎるせいで、金の属性を僅かずつしか受け付けなかったんですね。

なお、この斧は『龍骨の斧』というものなので、厳密には金属ではないと思いますが・・・。

 

2.『克我』における関係の場合→我が勝てないものが衰退する現象のことを言います。

 例としては『金虚木侮』があり、金自体が弱いことで木を制することができず、逆に木の侮りを受けてしまいます。

この関係は、気が弱いために相手からイジメられてしまうような状態と考えるとわかりやすいと思います。

 

おつかれさまでした

今回はここまでとします。

五行の基本関係について少しでも理解いただけましたら幸いです。

次回は『気』や『血』、『津液』といった東洋医学での人体における重要な基本物質について解説していきます。

それと私自身、アニメをよく視聴するので、例えとしてアニメの内容が使われることが今後も度々あると思いますが、ご了承ください。

それではまた次回、お会いしましょう!

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