今回はカラスが夜に鳴く理由についてお話しします。
ノリスケさん、聞いてください。
この間、カラスが夜に鳴いてたんです。
何だか不気味ですよね。
夜中に鳴くのが地震の前触れとか聞いたこともあるし・・・
確かにカラスは不幸を運んでくるとも言われますからね。
では今回は、なぜカラスが夜に鳴くのかについてお答えします
カラスが夜鳴くのには実はこんな理由があった!
皆さんは夜中にカラスの鳴き声というものを聞いたことがあるでしょうか?
ただでさえたくさん集まっていると、不気味で不吉の報せを運んでくるなどと思われているのに、そんなカラスが夜中に鳴いたのでは何かあるのでは?と勘ぐってしまいますよね。
そんな中で地震が起こるのではないかと思っている人もいるようです。過去、カラスが夜に鳴いた翌日に地震が発生したことも確かにあります。
だとすれば、カラスはある種の未来予知能力を有していることになりますね。
ですが結論を先に述べてしまうと、カラスが鳴くことと地震には実は何の因果関係もないのです。
その理由について、この後からお話ししていきます。
カラスはとっても早起き!
まず、カラスは基本的には昼行性で夜に起き出すことはありません。ですが、カラスは国内に住んでいる鳥の中でも群を抜いて早起きな鳥だと言われています。
その早起き加減は尋常ではなく、驚くべきことに夜中の0時に鳴くこともあるんだとか。
「そんな時間は夜じゃねぇ!」そうツッコミたくなる気持ちもわかります。しかし中にはこの時間を朝だと勘違いして起きだしてしまう個体もいます。そのため、夜に鳴き声を聞くことがあるのです。
鶏でさえ、日が昇る頃合いで「コケコッコー!」と鳴きますよね。しかしカラスからしてみれば「あいつ、お寝坊さんだなぁ」ということになってしまうのです。
特に都市部のカラスでこの傾向が強くみられることがあるので、都会に住んでいる人はこれが理由と考えるのがいいかもしれませんね。
そしてその理由はやはり、消えない夜の街の明かりが原因ではないでしょうか。そのせいで朝だと勘違いしてしまうのでしょうね。
カラスが起きる時間帯は地域によってバラバラ!?
そんな話をした矢先にこんな話題を出すのも何なのですが、実はカラスも起きる時間は地域によってバラバラなんです。
というのも、カラスにとって最も美味しい餌は私たち人間が出す生ゴミなどの廃棄物。ですから、その時間帯を狙って起きだし、ゴミ捨て場に集まってくるのです。
そのためカラスの起きる時間は私たち人間が一枚噛んでいると言っても過言ではありません。
そういえば、私が昔地元のコンビニでアルバイトをしていた頃、推定体長70〜80cmはあろうかというひときわ大きなカラスを見たことがありました。平均では50cmほどと言われているので、かなり大きいです。
店舗から出るゴミや駐車場にポイ捨てされるゴミを狙って朝、仲間を引き連れてやってくるのです。えも言われぬ貫禄があったので、あれはおそらく地域のボスガラスだったのでしょう。
コミュニケーションを取るために鳴いている!
カラスは知能が高いため、鳴き声によって仲間と様々なコミュニケーションを取ることができます。
一般的な鳥類が縄張りや求愛の主張などのみなのに対して、かなり複雑な種類の話ができているのではないかと言われています。
残念ながら、カラスの気持ちを理解できる機器が今の世の中にはないので正確に何種類、というのはわかっていません。
その中の1つに、仲間に緊急事態が発生したことを知らせていることがあるのではないかとの説があります。
夜間に敵に襲われたなど、何かしらの事件や事故が発生して、その時に周りの仲間にも知らせるために鳴くので夜中に鳴き声が聞こえるのかもしれませんね。
ところで、カラスの知能の高さを証明するものとして、昔こんな事件がありました。
悪戯心からカラスに石を投げつけた若者が、後日そのカラスから報復を受け、頭をメッタメタにつつかれて死亡したという事件です。
むやみにカラスに石を投げつけたりするのはやめましょう。こんな風に恐ろしい目にあうかもしれませんよ。
繁殖期で気が立っている
どんな動物でも言えることですが、繁殖期に入った動物というのは子どもを守るために警戒心が高まります。
とりわけカラスは番いとなったパートナーと一緒に子どもを守るため神経質になり、警戒心も非常に高まります。
巣や雛に近づく者に対して、大きな声で鳴いたり、周囲を旋回するように飛行したり、止まっている木の枝を落とすなど、容赦がありません。
しかもこれらの威嚇行動を段階を踏んで行い、それでも去らなければ強行手段として後ろから足で蹴るという手段に出ることもあるというのです!
非常に暴力的で恐ろしいですね。それでも我が子を守るための行動ですから、過剰防衛とも言い難いです。
これらの行動は、たとえ夜でも変わらないでしょう。夜行性のフクロウなどに雛が狙われることもあり得るのですから。だから夜中に鳴き声が聞こえるのかもしれません。
なぜ、不幸の象徴などと言われてしまうのか?
カラスは真っ黒な色をしているので、たくさん集まると何かよくないことが起きるのではと勘ぐる人が出てくるのも確かです。
実際、過去にカラスが集まったことで不幸なことが起こり、それが原因で今でも迷信として各地に存在しています。
日本では昔から『黒』という色に対してあまり良いイメージがなく、それ自体に不幸や不吉といったイメージを植え付けてしまっています。
お葬式でも黒と白の縞模様の幕が下ろされていますし、喪服もシャツを除いてネクタイや靴下などまで含めて基本的に全て黒で統一されています。
また、ブラック企業など、良いイメージを持たないものに対しても、黒が用いられます。
このように黒に対する悪いイメージを日本人が先入観として持っていることから、黒いカラスも何かの不吉を運んでくると思われてしまったのではないでしょうか。
そこに偶然にも、不幸が居合わせてしまっただけで。カラスにとってはいい迷惑ですね。
今回の話で私が思ったこと
カラスが夜鳴く理由についてお話ししました。
実は不幸とは何の関係もなかったカラス。
人間が勝手に色に対するイメージを持って、それをカラスにも持ってしまっていることがこの迷信が生まれた最大の原因ではないかと思います。
とはいえ、それも絶対とは言い切れないものかもしれません。
が、少なくともこれだけ証明できそうな理由があるので、迷信を否定するには十分だとも思います。
それではまた次回、お会いしましょう!
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