新型コロナ変異株は重症化しやすいのか?ワクチンは効果があるの?

新型コロナウイルス特集
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 昨年12月、イギリスでコロナの変異株に感染した患者が報告されました。年が明けても未だその猛威が衰えるところを知らない新型コロナウイルス。

今回は、その変異株についてお伝えします。

 

新型コロナ変異株『VUI-202012/01』

 現在までで変異株が見つかっている国は、イギリス・イタリア・ドイツ・オランダ・ベルギー・南アフリカ・カナダ・韓国など26カ国の国と地域(2020/12/29時点)。

【2021/1/10追記】日本でも遂に新型コロナの変異株感染が確認されました。今年2日にブラジルから到着した男女4人に感染していたとのこと。

男性は40代は到着時は無症状でしたが、その後呼吸が悪化して入院、10代に発熱。女性は30代に頭痛、10代は無症状。

空港検疫で新型コロナ陽性と判明、国立感染症研究所で詳しく調べたところ、新たな変異株が検出されました。 

 このようにイギリスで最初に感染が確認されたのち、コロナの新種もまた次々と世界各国へ向かって感染を拡げていっています。

そんな中、EUに加盟している各国は続々とワクチンの接種を開始。

日本でのワクチン接種は、早くとも2月下旬くらいからと言われています。ですが、全員が一斉に受けられる量を確保できるわけではないため、医療従事者や高齢者、基礎疾患のある方に優先的に接種してもらう方針のようです。

ここで気になるのが、果たして変異株に対してワクチンは通用するのか?ということ。

今回発見された変異株は、これまでの新型コロナウイルスよりも非常に強い感染力を持つと言います。ですが、ウイルスの変異自体は別段珍しいことではありません。

ではなぜ、そのような感染力を持つに至ったのでしょうか?

日本の国立感染症研究所によれば、中国武漢で発見された最初のウイルスと比べて、この変異株はウイルスの設計図である『ゲノム(全遺伝情報)』が、従来のものとは大きく異なっていたそうです。

その変化したうちの一部は、ヒトの細胞に侵入する足がかりとなる『スパイク』と呼ばれるタンパク質を変化させていました。

そして何を隠そうこのスパイクが、感染力を高めるに至ったファクターなのです。

スパイクが変異することによって新型コロナウイルスは、よりヒトの細胞と結合しやすくなって侵入しやすくなっていきました。

この変異によってイギリスのジョンソン首相は、変異株の感染力は従来までと比べて最大で70%も強くなったと発表しています。

一般男性
一般男性

???

つまりどういうことだってばよ・・・

最大で70%と言われても、ピンとは来ないですよね。

ウイルスの感染力の強さは『実効再生産数』というもので表されます。

これは、すでに感染が拡がっている状況で、1人の感染者が次に平均して何人の人に感染させるかを数値化したものです。

では国内でこの数値がどうなっているかというと、2020年12月25日の時点では1.6と出ています。

この数値が1より大きい場合には感染が拡大していくことを意味し、小さい場合には感染が減少していくことを意味します。ですので現在は流行が継続中ということですね。

 

そして変異種が国内で拡がった場合、この数値はさらに高くなっていくことになります。

変異株の感染力の10%を0.1として、70%では0.7。つまり実効再生産数は最大で0.7ポイント押し上げられてしまうことになります。

そうなると日本の数値は、1.6+0.7=2.3。1人が感染すると次は平均で2人以上が感染してしまうことになるのです。

そうならないためにも日本に変異株を入れないような対策が必要だったのですが、すでに入ってきてしまっている状況なので、これ以上拡大させないことがこの先必要になってくるでしょう。

3密回避やソーシャルディスタンスがどこまで通用するのかはわからないですが、これからもしっかりと続けていく必要がありそうですね。

 

 と、不安を煽ってしまうような書き方をしてしまいましたが、あくまでこれはデータの上ではじき出された結論であって、実際は1人1人の意識次第で変わってくるものと思います。

また、今のところ変異株において重症化の確率が高いという報告はされていないようです。変異株において危惧されているのは、先にも記述しましたが、その感染力。もともと高かった感染力が、さらに強まっているといいます。

 

 随分と話が逸れましたが、話を戻しましょう。ワクチンは結局、変異株に対して通用するのかということです。

結論から言うとまだ不透明な部分が多く、はっきりしたところはわかっていないようです。

ただ、米国のファイザー社が開発したワクチンは変異のあったスパイクを標的として抗体を作って免疫を作るタイプのワクチンとのこと。

また、ヒトの免疫がウイルスを認識できる目印というものは数十あり、その中の1つが仮に変異したとして、ワクチンの効果が激減するとは考えにくいとも言われています。

つまり、

「今のところはっきりとどうなるかはわからないが、とりあえず大丈夫じゃね?」

ということです。

【2021/4/4追記】

 米ファイザーと独ビオンテックは、それぞれ開発したワクチンについて半年後も新型コロナウイルスに対して効果があるとのデータを発表しました。

また、南アフリカ型の変異株に対しての有用性も示されました。これはワクチンを2回接種した人が偽薬を接種した人に比べて感染者が出なかったことから結論づけられました。

 

 一方で、このままでは一部の変異株にワクチンが効かなくなるかもしれないとの懸念もなされています。

英国型変異株はファイザー社製ワクチンでも問題なく倒せると言われていますが、ブラジル型変異株に対しては従来の3.5〜10倍程度の量の抗体が必要だとの研究データが出されています。

このデータから、ウイルス感染やワクチンによって従来型の抗体を持つ人のコロナの感染はある程度制御できても、変異株に対してはまだ十分な抗体量を保持できてはおらず、今後感染者が増えていくかもしれないと結論づけられました。

 

最後に

 新型コロナイルスの変異株についての話はここで一度終了とします。

 また何か情報を得たら更新や記事投稿などしていきますね。

 それではまた次回、お会いしましょう!

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