海外諸国でこの頃、新型コロナウイルス対策にイベルメクチンという薬を使うことを推奨するフェイスブック投稿が増えていると言います。
しかし研究者らは、安易に使うべきではないと警告を発しているようです。
さて、このイベルメクチン。一体どんな薬で、副作用や人間への安全性は果たしてどうなのでしょうか?
今回はこれらについて調べたので、お伝えします。
イベルメクチンとは
イベルメクチンは商品名『ストロメクトール』と呼ばれており、主な効果は体内の寄生虫である『糞線虫症』や『疥癬』の原因となる虫を駆除するために使われている内服用の薬です。
日本では主に疥癬の治療に使われることが多く、安全性も高く、重い副作用もないとされています。
糞線虫症とは
原因となる微生物は『糞線虫』。熱帯や亜熱帯の地方に分布している寄生虫の一種で、国内では沖縄や奄美大島などにみられます。
この虫はヒトの皮膚を介して体内に侵入し、小腸に寄生します。そこで繁殖を繰り返して数が多くなると腹痛や便秘などの胃腸症状を引き起こします。
疥癬とは
原因となるのは疥癬虫。別名を『ヒゼンダニ』と言います。このダニが皮膚に寄生することで起こる皮膚感染症のことで、身体中に小さな赤いポツポツができ、特に夜中に強いかゆみを引き起こします。
薬の副作用
主なものは吐き気や嘔吐、下痢、かゆみ、めまいなどで、疥癬の場合だとヒゼンダニ死滅後に一時的にかゆみが強くなることがあります。
また滅多に起こらないですが副作用が重く出ることがあります。初期症状に注意してください。
・重い皮膚や粘膜の障害→発疹・水ぶくれ・皮がむける・皮膚の熱感、痛みやかゆみ・唇や口内がただれる目の充血・発熱など
・肝障害→だるい・食欲不振・吐き気・発熱・皮膚(爪も)や白目が黄色くなる(黄疸)・尿が茶褐色など
・血小板減少→鼻や歯茎・あざができやすくなる・血尿など各種出血のほか、血が止まりにくくなる
注意事項
診察時は持病のある方やアレルギーのある方、服用している薬がある方は、医師に伝えてください。
使用の際は空腹時または食後2時間経ってから水だけで飲むようにしてください。牛乳や乳製品と飲んではいけません。
また、この薬は病状や体重によっても飲む量が異なりますので、医師や薬剤師の指示に従って、用法用量を守って正しく服用するようにしましょう。
最後に
イベルメクチンについてお話ししました。
今の所はおそらく、この薬が新型コロナに有効と言われることはないと思います。
だってどう考えてもこの薬は、虫下しの一種だと思います。
でも偶然、何かに反応してコロナにも効果があると錯覚してしまったのでしょう。
効果を示したという論文も、専門家の指摘によってその後撤回されたそうですからね。
それではまた次回、お会いしましょう!
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