最近、尿が泡立つような気がして・・・。病気でしょうか？
一概にそうとは言えません。では今日は、その疑問についてお答えしましょう
おしっこが泡立つ原因
おしっこが泡立つ。それが気になっているという方は実は多いのではないでしょうか。何かの病気？と思う方もいらっしゃるでしょう。
尿は実に様々なことを私たちに教えてくれます。ただし、全てが病気と関係しているわけではありません。
まずは原因について見ていきましょう。
おしっこにはナトリウムやカリウム、尿素などといった様々な物質が含まれています。その中でもおしっこを泡立たせる原因になっているのは『ウロビリノーゲン』という物質。
この物質には界面活性作用があります。これが何かというと、要は石鹸を泡立たせるのと同じもので、排尿時の勢いで泡立つことなどもありますから、しばらく便器を眺めていてすぐに泡が消えていく場合には、特に異常はありません。
しかし問題となるのは毎回のように泡立ち、すぐに泡が消えない場合。
尿の泡がなかなか消えない場合には、ウロビリノーゲンではなくタンパク質が原因となっていることが多く、こういった現象を起こす病気がいくつかあります。
腎臓の濾過作用を弱める腎炎やネフローゼ症候群といった病気の場合に出やすいとされ、糖尿病でも疑われます。
ただネフローゼ症候群は正確には病名ではありません。血中に最も多く含まれるアルブミンというタンパク質が尿とともに出ていくために不足してしまい、これによって『むくみ』が共通して出るために症候群と呼ばれている現象なのです。
ネフローゼ症候群が出る病気は慢性糸球体腎炎が最も多く、糖尿病性腎症や膠原病などの場合にも症状を呈します。
一方で糖尿病の場合には、血中に多く貯まった糖が腎臓の血管を傷つけて腎機能を落とすことによって、タンパク質が血管壁から出ていきやすくなってしまいます。
病気として考えられるのは上記のようなものですが、他にも原因として考えられるのは食事や運動、飲酒、肥満です。
尿が作られていく過程においては肝臓が大きく関わっています。肝臓はアルコールをはじめとして、身体の毒素を分解したり、必要な物質のリサイクルをしています。
また、腎臓へ行くまでの間に肝臓を通過しますので、アルコールを飲みすぎた場合には肝臓に負担がかかってしまい、尿中にタンパクが出やすくなってしまうと言います。
それから脂っこいものや塩辛いものなどを多く食べたり、肥満である場合には腎臓の濾過作用がうまくいかずタンパク質が出てしまうことがあり、運動時にも筋疲労などが原因で出てくることもあります。
おしっこの色からわかること
ここからはおしっこの色からわかることについてお話ししていきます。
運動の後
運動後は汗をかいていて尿が濃くなっているため、かなり濃い黄色または茶褐色の尿が出やすくなりますので、異常と思わない方がほとんどだと思います。
また、とてもハードな運動をした場合には筋肉組織が壊れて、そこから『ミオグロビン』という成分が血中に出てしまい、それが尿に混じって茶色またはコーラっぽい色、赤ワインのような色の尿が出ることがあります。
しかしこのような尿が出て、身体がだるいなどの症状が続く場合には、かかりつけの医院などで尿検査と腎機能検査を受けるようにしてください。
稀にではありますが、横紋筋融解症による急性腎不全の疑いがあるためです。
安静時
安静時には水分摂取量にもよりますが、一般的に薄い黄色の尿が出ることがほとんどと思います。
ですので尿が濁ったり、茶褐色やコーラっぽい色、赤ワイン色などの尿が出る場合には異常を疑ってください。
透明なコップなどに尿を採ってみて、それでもおかしいと感じる場合には医療機関を受診しましょう。
また特に運動をしておらず、たくさんの水分を取っても尿の色が濃いといった場合には肝臓の病気を疑う必要があります。
尿が白い
稀にではありますが、白い尿が出ることがあります。血液が混じっている場合もあります。
この場合には痛みなど他に何の異常がなくても、一度医療機関を受診しましょう。
腎盂腎炎や膀胱炎、尿道炎などにかかっている可能性があるためです。
最後に
尿が泡立つ原因と尿の異常についてお話ししました。
すぐに消える泡は問題はないこと、すぐに消えない時は、もしかすると肝や腎に病気があるといった可能性を考えるようにしてください。
そして尿の異常に気付いた時には放置せず、コップなどに採って病院でみてもらうようにしましょう。
時間が経ってしまうと正常に戻っているように見えることも多いため、病気を見逃してしまう恐れがあります。
気になることがあれば、すぐに医療機関へ。早期発見・早期治療が大事です。
それではまた次回、お会いしましょう！
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