現代は、実に様々な食品がスーパーやコンビニなどで販売されていますね。実際、そのおかげで食べるには困りませんが、それと同時に過食や偏食による栄養の偏りからくる疾病の発生というような問題も起こっています。
今回は今の食生活を改善して健康に過ごしていきたいと考えている方のために、必要な条件を7つお話しします。
日本が世界一の長寿国とされているワケ
本題の前に、少しだけ。
日本は世界から見ると長寿の国であるということは皆さんも聞いたことがあるでしょう。
2018年の平均寿命は、男性81歳、女性87歳で、男女平均では84歳と報告されており、これは世界1位の記録です。
ではなぜ、日本は世界一の長寿国になれたのでしょう?医療制度が充実しているからでしょうか?
確かに医療制度の充実もあると思います。日本の国民皆保険制度は医療機関の受診をしやすくしてくれると、世界からも注目を集めていますからね。
実際そのおかげで、医師にかかるハードルは日本では相当低いはずです。アメリカを考えてみてください。医師にかかるには、高額な自己負担金の支払いを請求される場合が多いといいます。
それが日本では一般に3割、75歳以上の後期高齢者では1割の負担です。だからこそ、病院で治療を簡単に受けることができます。
医療制度については、こんなところでしょう。では、他の理由は?
それはズバリ、我々日本人が培ってきた食生活にあるのです。私たちは普段、何気なく食事をしていますが、その食品の中には色々な食材や調味料が使われています。
米・麦・野菜・大豆・肉・牛乳・乳製品・油脂・果物・・・etc. 実に多様性があると思いませんか?
この多様性が、栄養バランスの取れた食事を可能とする『日本型食生活』と呼ばれているものです。
この食生活の大きな特徴として、多様な素材が用いられているだけではなく、和・洋・中など様々な工夫がされた味付けによって、多種多様な副食が生み出されていることが挙げられます。
この副食が日本で一般的な主食である『ご飯』と合わさることによって、独特のメニュー構成を生み出し、食卓をバラエティー豊かなものにしてくれています。これはいわば、『バランス型』とでもいうべき食生活でしょう。
このような食生活のおかげで、我々日本人は健康的な食生活を送れると同時に、世界一の長寿国にもなることができたのです。
健康的な食生活を送るための7つの条件
それでは本題に入っていきましょう。健康的な食生活を送っていくための7つの条件の紹介です。
食事を楽しむ
1つめ。これは最も基本的で重要なことです。
楽しんで食事をすること。これは身体的にも精神的にも重要な要素です。
たったこれだけのことでも生活の質(QOL)を向上させることにつながります。
QOL→ Quality・Of・Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略。
お子さんのいる家庭では、日々の食事でのコミュニケーションは子供達の健やかな成長に一役買ってくれます。
これは本来、欠くことのできないことなのですが、近年では共働きなどによって『孤食』と言われる子供だけで食事をすることになるケースが多くなっています。
私の実家も、両親が共働きだったため、私が就職して家を出てから弟が孤食することはあったと言います。しかし弟の場合は高校に入ってから友人と外食して帰ることが増え、そちらでコミュニケーションを培うことができたようなので、兄としては少しだけ安心しましたね。
ところで、1人暮らしでもそれなりに楽しんで食事する方法はあります。
行儀が悪いと思う方もいらっしゃるかもしれないですが、Youtubeやアニメなどを観て楽しみつつ、お酒と一緒に食事をします。私の日々のささやかな楽しみの1つです。
あとは自炊でしょうか。料理を作るのは結構楽しいです。たまに失敗もしますが・・・それはそれで「あちゃ〜」となって楽しめますよ笑
今は『cookpad』のようなレシピを簡単に検索できるサイトもあるので重宝しています。
とにかく、食事の時には暗い気持ちにならないようにしましょうということですね。
3食きちんと食べる
2つめ。ライフスタイルも多様化した現代では、これが難しいという方が多いのではないでしょうか。実際、私自身も朝食を抜くことは多いです・・・。
朝食を抜くことが多いのは20〜30代の比較的若い男性で、ある調査では朝食を食べなかった人は夕食の時刻が不規則であり、夕食後に間食してしまうことも多いとの報告が出ています。
朝食を食べない理由としては、単純に食べる時間がない、夜食を取ることによって食欲が出ないなどがありますが、夜食はインスリンの分泌が多くなるため、体脂肪の合成が促進されて、身体に脂肪を蓄積させ、太りやすくしてしまいます。
これは過度の飲酒の場合にも言えることで、エネルギーの取りすぎによる肥満、おつまみなどによる塩分の取りすぎ、ビタミンや食物繊維の不足が原因となって、生活習慣病の原因疾患である血管の障害にもつながっていきます。
それでは、朝食を食べないとどのような影響が身体に出てしまうのでしょうか?
まず、夕食後に蓄えた糖質であるグリコーゲンが無くなってしまい、脳へのエネルギーが不足することで頭がボーっとして目が覚めなくなります。
また、栄養素の摂取の偏りにもつながってしまい、それによる健康面への影響も懸念されることとなってしまいます。
以上から健康の基本は『3食しっかり、規則正しい時間に食べること』です。
食事はバランスよく
3つめ。これも実践しづらいという方は多いのではないでしょうか。かくいう私も、ついつい肉など好きなものばかりに偏りがちになってしまいます。野菜も一応、意識して食べようとは思っているんですけどねぇ・・・。
食事は主食、主菜、副菜を基本としてバランスよく食べることが理想とされています。
主食は、米やパン、麺など糖質エネルギーの供給を主としたもののことです。
最近はよく糖質制限といって、主食を食べないダイエットが流行っていますね。ですが他のものは食べているようなので、食べないダイエットよりは健康的と言えるでしょう。
ちなみに私もコロナ太りが気になってきたので、夕食時は糖質をなるべく抑えるよう気を使っています笑
主菜は魚や肉、卵、豆腐をはじめとした大豆製品などを使った副食の中心となる料理のことで、良質なタンパク質や脂質の供給源となってくれます。
ちなみに私は鶏の唐揚げが好きですね。基本的にご飯でもお酒でもいけるので。
マヨネーズがあるとさらに食が進みますが、いくら鶏が高タンパク低カロリーな食品とはいえ、総カロリー量が怖いですね・・・。まぁその時だけは気にしない振りしてますけど笑
副菜は野菜などを使った料理(サラダなど)のことで、主食と主菜に不足しているビタミンやミネラルを補う重要な役割を持っています。
ところで皆さんは、お味噌汁は何が好きですか?
私は玉ねぎが昔から好きです。味噌汁に入ると、すごく甘くなって美味しいんですよね。
他にもしじみとかなめことか。最近は滅多に飲まないんですが、たまに飲みたくなりますね。
食品の選択や食事を作るときに考えるといいことがあります。『1日30品目』です。
一見難しいですが意識して取り入れることで、主菜や副菜の種類を増やす工夫ができるようになると思いますよ。
ご飯などの穀類をしっかり食べよう
4つめ。主食の紹介でも述べましたが、最近では糖質制限といって、米を食べることが少なくなってきています。ですがいくら糖質制限をしたとしても、脂質を取りすぎては意味がありません。
脂質は吸収されるとまず、皮下や内臓などにエネルギーとして蓄えられますが、糖質は逆で、体内で一番最初にエネルギー源として利用されます。
また脂肪は貯まっていくと、動脈硬化や心筋梗塞などの血管障害にもつながってしまいます。
ですので主食として米を毎食『適量』摂取することと、脂質を極力抑えた食事を心がけることが大事なのです。
米の適量は1食で茶碗約1杯ですので、1日で茶碗3〜4杯分が目安とされています。前述のようにすぐにエネルギーに変わるので、適量のうちであればそれほど糖質過多を気にしすぎる必要もありません。
どうしても気になるという方は、茶碗7〜8分目くらいにして少なめに食べると良いと思います。
ところで、国産米が余っているというニュースを耳にします。米は穀類の中でも日本の風土気候に適していて自給可能な作物であるため、国産米を食べることは本来、食料の安定供給面からみても重要なことです。
しかし日本人が米離れしているのと、海外からの安い輸入米が原因となって、国産米がダメになって廃棄されてしまうと聞きます。
多くを輸入食品に頼る食料自給率の低い日本で、このうえ米まで消費しないようになってしまっては、日本は輸入なしではいつしか食べ物を食卓に運べなくなってしまうのではないでしょうか。
農家の方々が頑張って作ってくれた国産米、もう一度、食べてみるのはいかがでしょう?
野菜や果物、牛乳・乳製品、豆類や魚などからビタミン・ミネラル・食物繊維を摂取しよう
5つめ。野菜から摂取できるカリウムや食物繊維、抗酸化ビタミンは、循環器疾患やがん予防に効果があると考えられています。ですが現代の日本人、特に若年成人はこれらを十分に摂取できていない現状です。
緑黄色野菜や果物を多く摂取することは、発がんリスクを低下させる要因にもなります。
摂取の理想は毎食1皿以上、小鉢で1日5〜6皿分とされています。熱を通すと生よりも『かさ』が減るので、たくさん食べやすくなりますよ。
ところで、よく健康を気にして野菜ジュースをコンビニなどで買う人がいますが、実はあれは気休め程度でしかなく、あくまでも『野菜の栄養素を摂取する補助の役割をしている』だけだそうで、果糖などの糖も入っているため、飲み続けるといずれ肥満にもつながりかねません。
手軽に野菜の栄養を摂取できるのは評価できると思いますが、「無いよりはマシ」くらいに考えた方が良いかもしれませんね。
続いて骨を維持するために必要なカルシウム。これは成人で1日あたり、600〜700mg必要とされていますが、これも十分には摂取できていない現状です。
カルシウムが不足すると、イライラしたり集中力が続かなくなったりといった症状が出ます。また当然ながら骨も脆くなって、骨粗鬆症なども引き起こしてしまいます。
摂取のためには、普段から意識的に牛乳やヨーグルト・チーズなどの乳製品や、小魚や豆類を取ると良いでしょう。
また、体内のカルシウムの代謝にはビタミンDが重要な存在となります。
ビタミンDは食品ではレバー・イワシ・カツオなどに含まれるほか、日光に当たることで皮膚でも生産されます。
塩分・脂肪は控えめに
6つめ。味の濃いものやこってりしたものって、美味しいですよね。
ですが味の濃いものや脂っこいものを食べ続けていると高血圧や脳卒中、心臓病などを引き起こすトリガーとなってしまいます。
食塩の1日の摂取量上限は現在、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされていますが、男女ともやや取りすぎの傾向にあるようです。
減塩方法としては、味付けの濃いものと薄いものとを分けるといったようなメリハリをつけること、麺類のスープを飲まない、味のついた副食に追加で調味料をかけない、漬物や佃煮を毎日食べない(食べても2日に1回)、味噌汁は出汁を効かせて具材を多くする、など様々なものがあります。
私が最近意識しているのは、おかずにあまり調味料を使わないことと、カップ麺やレトルト食品、コンビニ弁当などはできるだけ食べる機会を減らし、食べるのであれば麺類の場合にはスープを極力飲まないようにしていることですね。
というのも私は一時期、コンビニでアルバイトをしていたもので、商品のラベルに書かれている食塩相当量の表示を見て恐ろしく感じた時から塩分を意識するようになったためです。大盛りの弁当とかだと平気で1日の摂取量上限だったりするものもありますしね。
北海道で有名なカップ焼きそば『焼きそば弁当』も確か6gくらいの塩分量で、中くらいの大判サイズになると摂取上限を超えていたはずです。
通常の2倍ほどの『でっかいやきそば弁当』では10g超えてたかな。ただ、毎日食べなければ問題はないので安心してください。私もたまにやき弁は食べたくなりますし。
コンビニ惣菜の場合も、なるべく塩分の低いものや野菜が使われているものを1品のみ購入するという具合に抑えています。
サラダは手軽に食べられるので重宝しています。ただ、付属や別売りのドレッシングは全量はかけません。
意外と下味の味付けだけでも、おかずは食べられるものですよ。今ではコロッケやハンバーグ、餃子なども下味のみで食べられるようになりました。素材の味ってやつですね。
また、野菜を一緒に食べるというのは効果的です。野菜にはカリウムが含まれているので、ナトリウムの排泄に役立ちます。
参考までに、以下に食品中の塩分量を求める計算式を載せておきます。
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
なお、運動や肉体労働をしていてよく汗をかく人であれば、塩分は多少取りすぎても問題はそれほどありません。
続いて脂肪です。脂肪も現代の日本人は取りすぎている傾向にあるようです。
脂肪には飽和脂肪酸(S)・一価不飽和脂肪酸(M)・多価不飽和脂肪酸(P)の3種類があり、それぞれ、肉やバター・豚肉やオリーブオイル・植物油や魚類に含まれています。
特に多価不飽和脂肪酸のうち、n-3系に属するものはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった名で知られていて、体内では合成できない必須脂肪酸がこの中に含まれています。DHAはサンマの蒲焼の缶詰なんかで手軽に摂取できますね。
これらの脂肪酸は動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げてLDL(悪玉)コレステロールを減らすなど、人体にとって良い効果を持っています。なお不足すると皮膚炎などを生じます。
これを含む油脂は熱や光などで酸化しやすいため、炒め物や揚げ物よりもドレッシングとして摂取する方が効果的と言われています。
現代日本人の栄養摂取の現状から見て、S:M:Pはそれぞれ、3:4:3の割合で摂取するのが望ましいとされ、また多価不飽和脂肪酸のn-3系とn-6系は、それぞれ1対4の比率で摂取することが望ましいとされます。
n-6系は大豆油やコーン油、サフラワー油などに含まれています。
食塩も脂肪も、控えようと思っても、パッと見ただけでは含有量がわからないので、栄養成分表示などから情報を集めて食品や料理を選択することが重要となります。
適性体重を知って、活動に見合った食事を心がけよう
7つめ。食べ過ぎは肥満の元です。肥満になってしまうと、糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)といった病気を引き起こします。
肥満の判定には一般的にBMIが用いられています。
BMI=『体重(kg)÷身長(m)の2乗』で求められる
成人男女では『22』を標準として、18.5未満を『痩せ』、25以上を『肥満』としています。
肥満と判定される人は男性で増加が著しく、30〜60代で29〜34%を占め、また、小学校高学年においても肥満傾向児の割合が増加してきています。
私は(今もですが)小学校高学年当時、肥満でした。多分太り過ぎだったんでしょうね。祖父からよくお菓子を与えられていて、確か60kgくらいあった記憶があります。それで空腹時血糖なども疑われたのか、人生初の血液検査もした覚えがあります。
その検査は特に問題はなかったようですけど。
そういえば中学に入って少しくらいの頃、私は食事が一切できなくなった時期がありました。それで10kgぐらい痩せたんですよね。担任からせめて飲みなさいと言われた給食の牛乳を飲むのも嫌で。
果たしてあれは何だったのかと、今でも思っています。ただ体が軽くなって走りやすくなったので、治ったあとはちょっと嬉しかったです。短距離走も当時が最高記録です。
東洋医学的には厭食(食べ物の匂いを嗅ぐのも嫌がる)みたいな状態だったんですよ。でもその原因になるようなことは何も覚えがなくて。食べ物の匂いどころか見ることすら嫌だったくらいです。
あと関係はないと思っていますが、中学入学から2週間くらいは鼻血がよく出ていました。それこそ毎朝のように。しかも収まったと思って学校に行ってからも。保健室でガッツリつっぺされましたね。
それとくしゃみして鼻からでっかい血の塊が出てきた時は驚きました。奥の方で固まっていたんでしょう。鼻血そのものは多分、それが原因だったんだと思います。程なく収まってきました。
まぁそんな話はともかく・・・適性体重を維持するのは生活習慣病の予防にとって重要なことでもあるので、毎朝の体重測定を習慣化し、体重変化に早めに気づくことが重要です。
また、現代の日本人の活動量は低下してきており、それによるエネルギーの摂取過剰も問題となっていて、それを防ぐために、日々の活動量に見合った食事量の管理や運動が必要になります。
忙しい現代社会では、「運動にまで時間割いてる暇ないよ!」という方もいると思いますが、例えばエレベーターやエスカレーターの代わりに階段を背筋を伸ばして上り下りするなどというように、意識的に体を動かす習慣を身につけていくことは可能です。
若い女性の場合はBMIで『痩せ』に判定される人の割合が増加していますが、これは健康上の適性な体重よりも低く認識している人が多いとされるためです。
『健康のため』というよりも『綺麗でありたい』という理由からこのような認識をしている人が多いようで、食事の量や内容には気をつけている意識はあまり無いようです。
そのため体重は軽いが脂肪量は多いという『隠れ肥満者』が『痩せ』のグループに多くなっているそうです。
女性の体重の悩みというものは理解できないわけではないですが、無理なダイエットはいずれ身体を壊してしまうため、お勧めできることではありません。
ところで、皆さんは食事はゆっくり噛んで食べていますか?
私は早食いなもので、気をつけなければいけないとは思いつつもできていません。父や父方の祖母も食べるのが早いので遺伝もありそうです。
でも元・自衛官の友人には羨ましがられました。彼は食事をゆっくり食べる方なのですが、考えてみると確かに有事の際には早食いできる方が良さそうですね。
そんな話はさておいて。早食いをすると、よく噛んで食べるよりも視床下部にある満腹中枢が刺激されにくくなるため食べ過ぎてしまい、続けていると結果として肥満を招くこととなってしまいます。
最後に
健康の増進と保持のためには、1人1人が食生活を見直して健康的な食生活を実践していくことが重要です。
また、大人になると食習慣というものは簡単に変えられないので、子供のうちから生涯を通じての健康的な食生活を実践する力や、食を楽しむ態度を育んでいくことが重要です。
食生活の改善というものは難しいので、すぐには全部実践できないかもしれませんが、できることから少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか?
今回はここまで。
それではまた次回、お会いしましょう!
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