食品添加物シリーズ第10弾。今回は酒精です。実は様々な食品に添加されているものなのですが、未成年にアルコールを取らせてしまうのは法律上、犯罪にあたります。
これは果たして、子どもや赤ちゃんの口に入れて良いものなのでしょうか?
酒精とは?
酒精は主に、サトウキビなどを原料とした糖質と、トウモロコシやジャガイモなどのデンプンを主原料として、それらを糖化させた後に発酵させ、蒸留することで作られています。
この蒸留の際に出来上がるのがエチルアルコール。すなわちエタノールです。これは一般の醸造用アルコールと同等のもので、食品添加物に指定もされており、通常のアルコールの使用目的と同じく、主に食品の殺菌の目的で使用されます。
酒精とはあくまで日本での呼び名であると言うだけで、成分はエタノールや他のアルコール類と大差はないと言うことです。
アルコールならば酒精が添加された食品を子供が摂取するのはNG?
と、疑問に思うかもしれませんね。子どもの場合に注意していただきたいのは、お菓子です。場合によっては『洋酒』や『粉末酒』などと書かれている場合もあります。
酒精は原材料への表記が義務付けられていますので、確認してみましょう。
この酒精ですが、ケーキのような加熱されたものであるならば、ほとんどのアルコールが飛んでしまうので心配はあまりありません。
他の食品に添加されている酒精も量そのものは微量ですから、お子さんが食べたとしても基本的に問題はありません。
ただ、香りを楽しむ目的として、パウンドケーキのようなものは焼きあがったスポンジにブランデーなどを染み込ませている場合もあるので、そういったものには注意が必要になります。
ちなみにどの程度のアルコールが入っていると子供に与えてはいけないかと言う話ですが、これは全体の1%以上と言われています。それ以上の濃度である場合は、パッケージに注意書きがされることが多いです。
が、これは法律で定められているものではないため絶対とは言い切れません。
とまぁ。これらのことから、通常の食生活をしている分には何か大きな健康上の問題が出ると言うことも、ほぼないでしょう。
危険性もほとんどなし?
その通りです。アルコールである酒精には、実は目立った危険性はほとんどありません。何か懸念があるとすれば、アルコールによっぽど弱い体質の方でしょうか。
匂いだけで酔う人も中にはいますからね。専門学校時代の先生の一人が、そのタイプの人でした。
そのような体質の方だと、調理時に揮発したアルコールを吸い込んでしまうことで酔うということや、化学物質に敏感な体質の方であれば、アレルギー反応が出ることもあり得ます。
また、発酵食品に酒精が添加されている場合は、健康面でのメリットが得られなくなると言うデメリットがあります。これは食品中の酵母菌などの働きを抑えて発酵を阻害してしまうためです。
言い換えるならば、酵母菌など体にとって良い菌を、アルコールで殺してしまうということですね。
なぜこのようなことをするかといえば、それは発酵による二酸化炭素の発生を抑えるため。二酸化炭素が出ると容器が膨れて変形してしまうため、それを防ぐために添加しています。
誤って高濃度のアルコールが入った食品を子供が食べてしまったら?
ではもしも、お子さんが誤って1%以上のアルコール入りのお菓子などを摂取してしまった時はどうすれば良いのでしょうか。
これは少量の摂取であれば、水などを多めに飲ませて様子を観察しましょう。30分〜2時間経って問題がない場合は、そのままでも大丈夫です。
ただし、異常に興奮がみられたり不機嫌になったり、ふらついてしまって立ち上がれない、嘔吐したり水分の摂取ができないという時には、すぐに小児科など医療機関に連絡・受診しましょう。
また、呼吸が不規則だったり体が冷たい、揺り起こしても意識がないといった場合は、急性アルコール中毒に陥っていることもあるので、救急車を手配してください。
最後に
酒精についてお話ししました。
アルコールであることから、危険性がほとんどない添加物と言えるでしょう。
添加されているのは微量な上、調理すればほとんどが揮発してしまうため、お子さんにも安心ということがわかっていただけたかと思います。
それではまた次回、お会いしましょう!
ちなみに前回はこちらです。よければ続けてどうぞ!
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