このところ、頭痛がしたり夜も眠れないなどの症状があり、なんだか体調が悪いなぁと漠然と思っていることはありませんか?
気になって病院で検査を受けても「異常なし」。時には鬱症状と誤診断を受けることもある厄介な疾患、それが『上咽頭炎』です。
実はこれ、現代の医学書にも記載がなく、まだあまり医師の間でも認知されていないらしいのです。
そして上咽頭炎では鼻うがいをするのが効果的と思われているようですが、それよりも簡単な方法が存在します。
今回は上咽頭炎の時に試してほしい『上咽頭洗浄』についてお話しします。
そもそも上咽頭炎とは?
鼻うがいのやり方で偶然にもたどり着いてしまった方がいるかもしれませんので、先に上咽頭炎についてお話ししておきます。
上咽頭炎とは夜に眠れなかったり、時に吐き気がするほどの頭痛がしたり、ひどい肩こり、ものすごく疲れやすい、なんとなく憂鬱になってやる気が起きない、感情の起伏が激しくなるなど様々な症状が出るものをいいます。
一般的に原因不明と診断され、症状自体は長く続いているのに、それらが『不定愁訴(原因ははっきりしないが、患者自身に不快な症状の訴えがある場合に使われる医学用語)』とされたり、鬱によるものとされたりすることもしばしばみられます。
なお症状が長く続くので、上咽頭炎のことを『慢性上咽頭炎』と呼ぶこともあります。
では上咽頭炎の原因がなんなのかと言えば、それは上咽頭にある神経が関係しています。上咽頭には脳から出ている脳神経のひとつ『迷走神経』が分布しており、これは自律神経のうちの副交感神経の主体もなしています。
しかし上咽頭の炎症によってその調節がうまくいかなくなることから、上咽頭炎が一種の『自律神経失調症』を引き起こしているのではないかと考えられています。
ですから上咽頭洗浄によって炎症を治療すれば、この調節機能を改善させることができるとされています。
また、上咽頭を炎症から守ってその健康を保つことが、自律神経や全身の臓器の不調までをも防ぐことにつながると言われています。
自分が上咽頭炎かを確かめる3つのポイント
ここで自分が上咽頭炎かを確かめられるポイントを紹介します。
- 首筋を押すと痛かったり、固いことがある
- 口呼吸をしている
- 後鼻漏がある
まず1ですが、首筋を指で押すと痛みが出たり、筋肉が固く張っている場合があります。これは単にストレスや普段の姿勢が関係している場合もありますが、肩こりと首こりはセットで現れることも多いので、慢性上咽頭炎の場合も例に漏れずといったところでしょう。
次です。2の口呼吸。これを判断するにはまず、自然に口を閉じてください。その時、舌の先がどこに当たりますか?
歯の裏側に当たる場合は、たとえ無自覚でも口呼吸をしているかもしれませんよ。舌の当たる正しい位置は、上あごの裏側です。
最後の後鼻漏。これは鼻水が出た時に鼻ではなく、喉の方に流れていく場合に判断ができます。喉にへばりつくような感覚がすることもあります。
上咽頭洗浄のやり方
それでは、上咽頭の洗浄方法についてお話しします。
- 生理食塩水を購入または自作して、鼻に差し込めるようなノズルのついた小さめのボトルに入れる
- 椅子に座って頭を60°以上後ろになるような角度まで倒し、片方ずつ両側の鼻に2mlずつほど入れる
- 出てきた液は飲み込んでしまうか口から吐き出し、もう一度同じ手順で繰り返す
1に関してですが、0.9%生理食塩水を自作する場合の方法を記載しておきます。こちらの方が分量を間違えさえしなければ、安上がりに作れます。
まず、水道水を用意します。できれば雑菌繁殖を抑えるために一度、鍋などで沸騰させて消毒すると良いでしょう。それから、500mlの水に対して4.5gの食塩を入れてよく溶かします。
保管するペットボトルも洗浄して綺麗にしておき、作った食塩水を入れて保存します。ただし、やはり雑菌繁殖の可能性は拭いきれないので、もったいない気はしますがその日限りの使い切りとして、毎日作るようにしてください。
洗浄をする時間帯としては、起床時と帰宅時あるいは就寝前の1日2回行うのが望ましいです。なお鼻から入れた食塩水は、量が少ないためそのまま飲んでも良いとされています。
が、今のご時世では新型コロナ感染のリスクもあるので、なるべく飲み込まず吐き出して、終わってから口をゆすいだり、通常のうがいをしておくなど、少しでも感染リスクを下げる対策をしておいた方がいいのではないかと私は考えます。
最後に
上咽頭炎とその洗浄についてお話ししました。
まさか鼻と喉を隔てている上咽頭に体調不良の原因があるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。
もしも悩まれている方は、一度試してみることをオススメします。
それではまた次回、お会いしましょう!
コメント