今回はペットボトルの形が違う理由についてお話しします。
ペットボトルには、底が平らなものと凸凹したもの、それから丸かったり四角かったりがありますよね?
あれらはなぜ、違うのでしょうか?「全部同じでいいんじゃないの?」そう思う気持ちもわかります。
ということで、ペットボトルの形が全部同じなのがどうしてNGなのか。その理由をお答えしていきます!
色々ある!ペットボトルの形の違い
ペットボトルには色々な大きさや形、種類のものがありますが、あれは単なるデザインというわけではありません。飲み物ごとに異なる形になっているのには、それ相応の理由があるのです。
が、まずはちょっとしたコラムとして、日本のペットボトル普及の歴史について触れてみたいと思います。
「おう、本題あくしろよ」というせっかちな方、または時間のない方はこちらをクリックするとすぐに本題に入れます。
日本におけるペットボトルの歴史
日本でペットボトルが利用されだしたのは1977年。はじめは醤油のボトルからでした。のちに食品衛生法が改善され、お茶やジュースなどいわゆる『清涼飲料水』への使用も認められるように。
当初、国内では1L以上の大きなものでしか販売していなかったのですが、同時に海外から輸入されてきた小型のペットボトルも存在していたと言います。
ではなぜ、日本のメーカーは小型ボトルの開発に踏み出さなかったのでしょうか?
日本のメーカーが小型ボトルを当初、作らなかったワケ
日本が小型のペットボトルを開発しなかったのは、環境保全の観点から。小型ボトルを開発・販売して誰もが手軽に購入できるようになると、ポイ捨てなどによってゴミがあちこちに散乱するのではないかと考えられ、規制されていたのです。
結局、500mlの小型ボトルが国内で開発・販売されるようになったのは1996年のことでした。意外と最近なんですねぇ。
ちなみに今では、メーカー各社が独自に内容量を設定したペットボトルが出回っていますよね。最近だと600ml入りのお茶やミネラルウォーターなんかが流行りじゃないかと思います。
いつも飲んでいた『生茶』でこれがでた時は、かなりおトクな感じがして嬉しかったものです。
全部同じがNGの理由とは?
さて、本題に入っていきましょう。ペットボトル飲料は、どうして形が違うのかについてですね。これは飲み物の種類によって充填方法などが異なるので、それに対応するためなのです。
お茶や果汁飲料などのペットボトル
これらの飲料では容器が四角く、厚みがあり、底面は平らなことが多いですよね。その理由は、充填時に熱処理がされているため。高熱にも耐えられるよう、厚い設計になっているんです。
また、これらの飲料はラベルを剥がすと四角く縁取りがされた凸凹とした面が見えると思いますが、あれは『減圧吸収パネル』といって、中の飲料が冷める時に液体の体積も縮小するため、その時に発生する圧力を吸収しています。
そして飲み口には白と透明があります。白いのも、実は高熱に耐えるためのもの。だから本来、高熱に対応するにはボトル全体を飲み口と同じ加工にしてしまうのが良いのですが、それだと真っ白になって中身が見えなくなるのでメーカー側から敬遠されているようです(笑)
一方で飲み口が透明なものは『無菌充填用ペットボトル』と呼ばれ、ミネラルウォーターやお茶などでよく見かけると思います。生茶もこのタイプですね。
こちらは熱処理の必要がないので、圧力がかかることがありません。したがって、薄くて軽いペットボトルになっています。
薄くて軽いということは、潰れやすいということでしょうか?
いい質問ですね。
いいえ、違います。確かにこれらのボトルは簡単に潰すことが可能ですが、溝の入れ方の工夫によって輸送時などには簡単に潰れないような作りになっています。
炭酸飲料のペットボトル
炭酸飲料のボトルはお茶などと違って、丸みを帯びていて凸凹が少なく、底面がロケットのような形状になっているのが特徴的ですね。
底面この形状は『ペタロイド形状』と呼ばれており、輸送時の外気温などの影響で変化するボトル内の圧力に柔軟に対応できるよう、このような設計になっています。
また、全体的に丸みを帯びているのも全ては炭酸による圧力に耐えるため。そして圧力が全体に均一にかかるようにするためでもあります。
お茶などのボトルに炭酸飲料を入れて振ると、均一に圧力がかからずに容器が膨らんでしまいます。過去には実際に、炭酸飲料を移したボトルが破裂してしまった事例もあるようです。
最後に
ペットボトルの形の違いについてお話ししました。
全て同じがNGなのは、圧力や温度などそれぞれに理由があるからだったんですね。
誤ったボトルを使用すると事故に繋がりかねないこともご理解いただけたかと思いますので、くれぐれも炭酸飲料をお茶などのボトルに移し替えるのはやめてくださいね。
怪我をしてしまっても責任を負うことはできませんよ。
それではまた次回、お会いしましょう!
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