あの大震災から、もうすぐ10年が経ちますね。津波をはじめ、当時のことがトラウマとなっている人は今も大勢いることと思います。
ところで私は昨日、地震に関係するあるニュース動画を目にしました。1年ほど前の古い動画ではありますが、その動画の中で気になったワードが『津波肺』です。
今回は津波肺がどのようなものなのかについて、お話ししていきます。
津波肺とは?
津波肺とは津波によって押し寄せた海水を飲み込んでしまうことで起こる呼吸器の感染症です。またの名を『津波肺炎』とも言います。
津波の海水は海底の土砂やヘドロなどを巻き込んで押し寄せますが、その中には様々な細菌や微生物などが混じっています。例を挙げるとすれば、緑膿菌やアシネトバクターといった菌です。
これらの菌による感染症は『日和見感染症』と呼ばれていて、健康な時はかかりませんが体力が落ちて免疫力が弱るとかかってしまう稀な病気です。
津波肺炎はスマトラ沖地震の際に注目され、先の我が国の大震災でも10名ほどの患者を出したと言います。
そのうちの50代の女性の1人は自力で泳いで避難所に到達しましたが、大量の泥水を吸い込んだためスケドスポリウムという日和見感染症を起こす真菌(カビ菌)に感染しており、人工呼吸器を必要とするほどの重度の呼吸困難に陥って、その日のうちに病院へ搬送されました。
その後の検査で正式にスケドスポリウム真菌感染症であると診断され、治療を受けながら3ヶ月ほど入院したのちに回復し、退院となったそうです。
スケドスポリウムとは
スケドスポリウムは土の中や汚染された水の中に存在する常在菌の一種で、気道から感染してヒトの肺や副鼻腔に感染する。
先進諸国では、肺炎や副鼻腔炎のほか、髄膜炎、骨髄炎、関節炎、角膜炎などを引き起こす日和見感染の原因菌として注目されている。
最後に
津波肺についてお話ししました。
津波の被害の陰に、このような感染症があったとは思いませんでした。
日和見感染の恐ろしいところは、発症すると重篤になるものが多いように感じるところです。
免疫力を落とさないよう、規則正しい生活や適度な運動など心がけていきたいですね。
それではまた次回、お会いしましょう!
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