お風呂場で熱中症を発症するというイメージは、みなさんの中にあるでしょうか?実は意外にも多くの発症例があり、死亡例も挙げられている危険なものなのです。
昨今はヒートショックにばかり目が行きがちで、当サイトでも以前記事にしています。
今回は浴室熱中症にフォーカスを当てて、その症状や予防法をお話しします。
浴室熱中症とは?
浴室熱中症とは入浴している最中に熱中症を発症することを言い、年間でおよそ2万人ほどが発症による意識障害からの溺死等で亡くなっていると言われています。
その原因として考えられているのは、入浴に際しての体温上昇とお湯の温度、それから入浴時間です。
一般的には温度上昇に伴う発汗などの各種反応が低下する高齢者の発症が多いのですが、私たち若い世代も油断してはいけません。
入浴しながらスマホをいじって音楽を聞いたり動画を見たり、読書や、友人と通話などをする方もいるでしょう。
私も最近は入浴時にスマホでゲームをやることが多くなりました。そうするとどうしても、入浴の時間は長くなってしまいます。
また、ぬるめのお湯に長時間浸かる半身浴も流行っているため、なおさらお風呂で上記のような趣味を嗜む時間が増えていると思います。
ではどのくらいの体温になると危険なのかといえば、一般的には40℃を越えることとされています。40℃を越えると、意識障害や頭痛などが出始めて入浴中の事故につながってしまうのです。
体温が40℃に達する時間は、お湯の温度によって変わってきます。全身浴で37℃の体温の人が40℃に達する時間は、お湯の温度ごとに次のように変わってきます。
- 41℃では33分
- 42℃では26分
- 43℃では21分
- 44℃では18分
- 45℃では16分
このため入浴の際の温度は41℃以下、時間は30分未満を目安とするのが良いでしょう。
浴室熱中症の症状
浴室熱中症の症状ですが、基本的には夏に起こる通常の熱中症と変わりはないと思ってください。
浴室熱中症特有のものとしては、湯あたりや自力での浴槽からの脱出ができない、などがあります。
また、熱中症は程度によって症状が変わります。
もっとも軽い1度では、めまい・立ちくらみ・大量発汗・こむら返りなどが起こります。
中等症の2度では、頭痛・嘔吐・体がだるい感じや力が入らない感じ・集中力および判断力の低下が起きます。
重症の3度になると、失神などの意識障害・小脳症状による痙攣発作が起こります。
浴室熱中症を予防するには?
浴室熱中症を予防するには次のような方法があります。
お湯の温度は41℃以下、入浴時間は30分未満にする
先ほども書きましたが、温度と時間の管理を徹底しておくことが重要です。お湯の温度が高いと血液の温度が急激な上昇をしてしまうため、体に大きな負担を強いることになってしまいます。
たまに「熱いよりも痛いくらいの温度が良い」という下町の江戸っ子気質な言葉を耳にすることがありますが、熱いお湯に浸かることは血圧を高め、心血管疾患のリスクを上昇させる危険があることからオススメできません。
時間に関しては、自分が今どのくらい入っているのかを感覚ではなく正確につかむため、防水式の時計を浴室に設置すると良いでしょう。そして体温は40℃未満とするために30分未満で上がる習慣をつけましょう。
こまめな水分補給
これは通常の熱中症対策で言えることでもありますが、入浴時に浴室に水やスポーツドリンクの入ったペットボトルを持参し、こまめにそれを飲んで脱水を起こさないようにすることも浴室熱中症対策には重要です。
飲酒時は入浴を控える
飲酒している場合、入浴で血流が良くるため、さらにアルコールが体を巡ってしまうことになり、最悪意識を失うなど危険な場合があるので入浴は控えるようにした方が良いでしょう。
同居者がいる場合、長風呂が心配な時は声かけを
同居者がいるのであれば入浴前に、例えば30分経っても上がって来なかったら一度声をかけてもらうなどしてもらうと浴室熱中症などの事故を防ぐことに役立ちます。
最後に
浴室熱中症についてお話ししました。
もしもお風呂に入っていてのぼせたような感じがあったなら、すぐに上がって腋や首、股など太い血管のあるところを氷などで冷やして体温を下げましょう。
その段階であれば、自分でも浴室熱中症を予防することは可能です。
水分補給など気をつけて、起こさないように注意してください。
それではまた次回、お会いしましょう!
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